ロードバイクAdventカレンダー 24日目
今年も去年に引き続き自転車に乗り始めてからの年間最短走行距離を更新した。たまの自転車通勤を含めても総距離2000kmを超えるかどうかといったところ。
一昨年までの職場は片道20km。電車を使うより自転車を飛ばす方がわずかに速いという絶妙な距離だったため、チャリ通の大義名分を職場にも妻にも立てやすく週に数回の往復40kmが年間走行距離の大半を占めていた。
それが昨年転勤して職場まで片道30kmの往復60kmに距離が伸びると、最寄りが特急停車駅ということもあって電車で行くほうが30分ほど早く着くようになった。
娘の就寝は20時。毎日明日に仕事を投げてなんとか起きているうちに帰宅しようともがいているが、それでも19時前に帰宅できるのはせいぜい週に2日ほど。平日起きている娘と会える時間は週に2時間あるかないかで、あまりにも少ない。
そのわずかな時間をチャリ通で削る気にもなれず、結局電車通勤が大半となった。まあおかげでブログの更新頻度は上がってるけどな。 そうして仕事、家族との時間、子どもの行事、その他諸々の雑事をこなしていると自由にサイクリングできるのは月に1日、よくて2日が関の山だ。
さらに追加要素として万魔殿もとい幼稚園から間断なく鼻垂れる放たれる感染症の波状攻撃がある。自分か妻か娘、誰か一人でも被弾すれば、療養か家事か看護、そのいずれかで1日が潰れる。
そして最後に持って生まれた雨男の業に抗って(或いは諦めて)ようやくつかめる一日、それがおれのサイクリングだ。そりゃあ面構えも変わる。
雨が降ろうが槍が降ろうが、おれには今日しかねえんだよ。 pic.twitter.com/LsXMxBvjzd
— やくも (@wartori621)
May 12, 2024
今年はTwitterで知り合った自転車仲間やサイクリングクラブの後輩たちの多くが父親になった(orもうすぐなる)一年だった。会って喋ったメンツに限っても、何人だろうかと指折り数えてみれば片手じゃ足りない。それほど広くもない交友関係の中でまさに空前のベビーラッシュだ。
自分は26才で結婚し、28のとき娘が生まれた。同年代の中では比較的早い方だったこともあり、夏のきゃんつー集いでも父親予備軍の野郎どもに育児とサイクリングの両立について聞かれたりもした。
ただ残念ながら「育児とサイクリングの両立」なんてことは土台不可能だ。
妻に子を預けて野を駆け回っているくせに、マンモスを狩ることも野草を集めることもなく穴倉に帰って来るオスに用意される大義名分なんてあるわけがない。それでも自分がこうやってブログのネタが尽きないほどには自転車に乗れているのはひとえにすべて、「妻が我慢してくれた」からだ。それ以外にはなにもない。本当に、なにも、ない。なにもだ。皆無。ゼロ。null。
だから、家事でもなんでも、やれることは全部やろうぜ、みたいなことを言ったような気がする。自分は料理も掃除もろくにできないくせに偉そうにな。妻にバレたら間違いなく蹴られる。
娘は次の春には小学生になる。変速機付きの自転車にも乗り出した。
生まれてからここまで嬉しいことも大変なこともほんとにいろいろあったのに、それでもあっという間だった。
数カ月後にはひとりで家を出て学校に通い、親の付き添いもなく近所を友達と駆け回るようになるのだろう。日に日にいろんな言葉を覚え、妻や自分の想像を超える意思と人格を備えていく姿を見るにつけ、親として子にしてやれることの大半は、実はもう終わってしまったんじゃないかという寂しさや焦りのようなものさえ感じる。
おそらくだけど、人間としての基礎はもう固まった。あとはその上に何を積み上げていくのか、徐々に添える手を離しながら、妻と二人で大切に見守っていきたい。
今年は自転車を2台買った。
死ぬほど苦労して、それこそ貴重な休日を潰してまで組んだ1台は、ズボラが原因で半年経たずに割れた。
まだ傷は癒えていない。ずっと自室にぶら下がっている。どうしよ。
一方で夏、発作的に購入したシングルスピードのVAPAHは当初の想像以上にサイクリングの楽しみの幅を広げてくれた。
【FUJI VAPAH】シングルスピードグラベルバイク導入インプレ
いやあ、やってしまった。完成車では間違いなく自己最速の衝動買い。
FUJIから今年新たにラインナップされたシングルスピードグラベルバイク VAPAH、導入です。
店頭受取限定 フジ FUJI VA...
まさかこれほどまでに奥深く面白い自転車だとは思わなかった。こいつでどんなルートを走ろうか、今は考えるだけで楽しい。
今年のサイクリングのベストバウトを挙げるなら、きゃんつー集い二日目の権兵衛峠越えが最も印象深い。
そこに至るまでの信州グラベルもさることながら、日暮れが迫るなかいつ途切れるとも知らない廃道を登った先で出会した腹まで轟く豪雷雨。
今でもあの雷鳴と雨粒を思い出すだけで胸がスッとする。最高だった。
そして仲間たちとのライドも。
5月:モリビト&たつぽん 京丹波 Stormchasees
8月:きゃんつー集い2024
10月:DCC OBラン
11月:ファナティックパスハンティング
こうして振り返ればグラベル第三帝国、きゃんつー集い、サイクリングクラブの先輩後輩などなど、本当にたくさんの仲間に恵まれていることを実感する。予定が合わずに断ることも多いのに、めげずに何度も誘ってくれてつくづく感謝しかない。ほんとうにありがとう。
今後は自分も積極的におもろいサイクリングを企画していこう。誘ってもらえると、それだけで本当に嬉しいものだから。
今年のテーマは記録でいこう、と年初に決めて始めたカレンダー日記が無事に一年続きそうだ。
カレンダー日記が半年続いたー ナカバヤシ ロジカルダイヤリー
昔覚えたウルトラ怪獣の身長体重から今気になってる自転車のジオメトリまで、好きなことなら時空を超えてなんぼでも覚えていられるのに、日常生活における諸々の記憶力があまりにも鶏すぎて事あるごとに妻に怒られる日々。そこで年始、今年のテーマは「記...
ひとまずやれることがわかったので、来年はやめてなにか新しいことを始めるつもり。なにがいいかな。
あと記録という意味では、サイクリング中の自分の写真をたくさん撮るようになった。
たとえ取り繕った表情だったとしても、見返したときにその時の自分の感情が蘇りやすい気がする。おっさんになったら自撮りが増えるって、あれマジだわ。面も姿勢も悪いので絵にならないのが辛い。
ブログもよく書いた。今回で年間51記事目らしいので、ほぼ週1ペースで更新したことになる。虚無の電車通勤が為せる技だ。
思い返せばこのブログの前身「やくもの自転車図鑑」およびTwitterアカウント「やくも」が本格的に稼働を始めたのはちょうど妻の妊娠が発覚したころだった。結婚以来ロングライドにハマって年間1万km以上走っていたけど子どもができたらそうもいかなくなるから、乗れなくなってもどうにか自転車を楽しめる仕組みを作ってみよう、みたいなことをぼんやりと考えていた気がする。
蓋を開ければ娘の誕生と前後してグラベル第三帝国の仲間たちと出会い、なんなら娘の誕生72時間前にはクラブの後輩と十三峠を登り、産後妻が帰省している間にでかけたアホな東北旅でTwitterのフォロワーが急に増え、ブログもそこそこたくさんの人に読んでもらえるようになった。最近ではきゃんつー集いのような同好の士とも交流が生まれ、自分のサイクリングの幅も、やりたいこともやれることもどんどん広がっている。
このうえまだ乗り足りないだの趣味の時間が無いだのと文句を言ったらそれこそバチがあたる。
そうだ、先日のAdventカレンダー、子ども三人を育て上げられた大先輩くろみつさんの記事を読んでおれは言葉を失った。
『子育てと趣味の両立』ぅ~???んなもん出来たら苦労しねぇ! - くろみつ劇場
このブログはロードバイクAdvent Calendarに参加しており 9日目の記事です adventar.org SNSを開けばやれグルメライドだ忘年会だ、キャンプツーリングだブルベだ飛行機輪行だ、PBPだフジヒルだキャノンボールだグランフォンドだ。 まぶしいくらいにキラキラしているタイムラインを眺めながら、ベビーベッ...
なにがって、おれが妻と生まれたばかりの娘を放りだして行った東北旅の最中に、まだ雪の残る蔵王の上まで初対面ながらも差し入れを持ってきてくださったのが、他ならぬこのくろみつさんだったからだ。忸怩たる思いとはまさにこれだ。穴があったら入りたい。感想を述べることすら憚られる。あまりにも恐れ多い。その節は本当にありがとうございました。
さあ、もうすぐ今年も終わる。
年末はいつもロングライドがしたくなる。寒風に乗って煩悩滅却にひた走るやつ。行けるかな。誰も風邪を引かないといいけれど。
おしまい
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