【グラベル】京丹波ー大崩落・リム破壊・The Stormchasees

グラベル第三帝国
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おなじみモリビト&たつぽんの3人で京丹波へとグラベルライド。その記録。

2台のD-309 そして、終売

キャリアに自転車を積んで縦貫道を飛ばし、京丹波方面へ。


モリビトと自分、ついに2台のDAVOS D-309が揃ったライドだったが、走るのが楽しすぎて一緒に写ってるのがこの写真しかなかった。

そしてこの前日にはまさかの報せが。

なんてこったい。ちゃんとしたレビューを書く前に終売になってしまった…

補修部品等は継続して販売してくれるとのこと。大切に思いっきり乗ろう。

限界ホイール

縦貫道を北へしばらく、デポ地に車を止めて出発準備。


早速モリビトのタイヤの様子がおかしい。というか、実はホイールからだいぶおかしい。
悪友ぽんこつくんからその昔譲り受けたという27.5インチのホイールは、前回の亀岡グラベルライドから、なんなら本人曰く一年以上前からずっと限界を超えたゾンビ運用がなされてきたのである。

はよホイール変えたい、今日で使い潰す。

出発


始めの数キロはのどかな田舎道。モリビトのショッキングピンクな第三帝国Tシャツ(特注品)があまりにも目にうるさい。朝に待ち合わせた三川合流地帯では、二川を挟んだ状態でその存在が視認できた。


あっという間に林道へ。ここから25km近く完全未舗装路が始まる。


空気圧を下げる必要は、このホイールに限ってはない。なぜならそもそも上がらないから。

この日最初のグラベル登板、照りつける日が暑い。もう夏が来てる。

この道は数年前にも走ったことがあり、おおよその道の状態は把握しているつもりでいたが、記憶よりも明らかにキツい。間違いなく坂が成長している。地殻変動でもあったのか、確実に斜度も上がっている。最近はどこへ行ってもこれだ。地球のこれからが思いやられる。やれやれだぜ。

スクリーンショット 2024-06-20 22.06.13.
登りも下りも速いたつぽん。

なんでも片道15kmの自転車通勤を雨風に負けず毎日続け、職場の皆から狂人扱いされているらしい。生きづらい世の中だ。

一方のモリビトはというと、かけたトルクの大半が限界ホイールのヤワいスポークに吸収され「引き足でしかチャリが進まん!!」と悲痛な悪態をつき続けている。がんばれ。

一つ目のピークに到達して、お待ちかねの砂利下り一本目。前をゆく二人が速すぎて全くついていけない。おまけにフロントのローターが、油でもついたのかファンファン鳴きよる。

大崩落地点、突破

二人の背中がコーナーの向こうに消え、置いていかれまいと曲がったその先、



林道の端から端まで全てを覆う大崩落。轍も何もあったもんじゃない。こんなん笑うしかないやろ。おもしろくなってきた。


身軽なモリビトを先頭に、ひとまず崩落の先を見定めに行くことに。

崩れてからまだいくらも経っていないであろう赤い不安定なゴロ岩を踏み越えて先に続く道を探す。

「道無いで?」「うそやん」「あ、あれか?その倒れた木の下?」「これチャリ担いでいけるか…?」

いけるか?などと不安めいたことを口にしてはいるが、正直一目見た瞬間から「いける」という確信はあった。根拠はない。

ここで判断に迷うようなら素直にやめた方がいい。ただ、直感で「いける」と思ったのなら、それは大抵いけるのだ。中途半端が一番いけない。

ということで、行く。


地盤ごと捲れてあらぬ方向に倒れているが、それでも複雑に絡み合った木々の根っこは岩より断然頼り甲斐がある。

画像では伝わりにくいがかなりの斜度。

3人で協力してまずは自転車だけを先に下ろし、その後に人。


さらにそこから慎重に崩落した斜面をトラバースしていく。右手の表層がずるっとくれば一巻の終わりだろうが、嫌な予感は全くない。いける、と確信できてるので、いく。仮に崩れても誰か一人くらいは生き残れるやろ。
果たしてゴロ岩と枝木の絡まる急斜面をどうにか超え、崩落の反対側へと抜けることができた。なかなかに大規模な崩落だった。やったぜ!

京丹波初夏のパン(ク)祭り

大小ガレ岩の間を縫うハイスピードでの砂利下り、当然パンクは避けられない。



最初の犠牲となったのはたつぽんエクターの前輪、グラベルキングX1。


アルテグラのカーボンホイールにどでかい傷を残しながら、サイドノブのあたりが大きく裂けた。

シーラントを回して空気の漏れが止まるのを待つが、タイヤを外して振ってみてもまだシューッと音がする。


ならばこちらにも用意がある。パナレーサーのチューブレスパンク修理キットを駆使して慣れた手つきでぱぱっと処置。

【レビュー】ぶっ刺せ!! チューブレスタイヤ 修理キット 【Panaracer】


このキット、自分も愛用しているが、本当に優秀。コツはビビらず思いっきりぶっ刺すこと。



なかまのパンク修理を見守りながら、のんびり雑談する時間、全然嫌いじゃない。むしろ大好き。修理している身からすれば、それどころじゃないんだけど。

素早いパンク修理を終えて再出発!

再び調子よく登って下ってしていると、


またしてもたつぽんの前輪から急激にエアが漏れ出した。


先程の場所とは違う、どうやら今度はリムとビードの合間から空気が漏れているようだ。

げ、その位置はマズい。すわリムが逝ったか?と思ったが、たつぽんの入念なチェックで意外な原因が判明。


なんとリムとビードの合間に砂利が挟まっていた。

おそらくリム打ち寸前までタイヤが凹んだ拍子に、路面の砂利がジャストフィットしてしまったのだろう。タイヤを指で押さえながら、工具で砂利を掻き出すも場所が場所だけに完璧には取り除けない。ボトルからの流水で洗い流して、シーラントの助けも借りながらエア抜けは無事ストップ。

これまでパンクは色々見てきたが、このパターンは初めてだった。

There’s a storm coming in.


ライドも終盤、ほんの一瞬だけ現れる舗装路で小休止。さっきまでの厳しい日差しはどこへやら、なにやら不吉な暗雲が立ち込めている。なんならはっきりと雨の匂いもする。午後から天気が崩れる予報は事前に把握していたし、なにより3人全員が筋金入りの雨男、降らないほうがむしろ不思議というもの。


とはいえ、降られないに越したことは無い。ここからは麓までラストのグラベルダウンヒル。さっさと下って降り出す前に車に戻ろう。

GO!!!

スクリーンショット 2024-06-20 22.02.42.
小さな崩落をいくつも超えながら、二人の背中を追う。めちゃくちゃ速い、ばちくそ楽しい。

目まぐるしく面持ちを変える砂利道を爽快にかっ飛ばしながら、さあいよいよ麓が近くなってきた!というときに、それは起こった。

動画ではわかりにくいが、砂利を踏む音に紛れてはっきりと、「ガキン!!!!」というどでかい金属音が聞こえた。


パンクなんて生易しいものじゃなく、一瞬で中の空気が爆散する大バースト。


タイヤは数センチにわたってぶっ裂け、リムは当然のようにひん曲がっている。トルクを吸い取る呪いの装備とかしていたボロボロのホイール、念願かなって当初の目論見通りの御臨終。堂々たる最後だった。

とはいえまだ車のデポ地までは未舗装路が1~2km、舗装路が5kmほどある。タイヤもリムも、とてもじゃないがチューブレス復帰できるような状態ではないので、タイヤブートを突っ込んでチューブド化する。

どれだけリムが曲がり、タイヤが裂けようが、案外なんとかなるものなのだ。

【グラベル】京丹波の林道でHUNTホイールのリム曲げるライド



それはそうと、いよいよ空が真っ黒になってきた。雨の匂いも濃い。

麓に近づいたため電波が通じる。雨雲レーダーを開いてみれば…



はよせえ!!はよせえ!!!

The Stormchasees

スクリーンショット 2024-06-20 22.00.42.
ここからはもう全力も全力。最後のグラベルを下りきり、車のデポ地までの舗装路を足攣る寸前まで追い込んで踏みに踏んでぶっ飛ばす。ここまできたんだ、最後の最後で濡れ鼠はなにがなんでも避けたい。

腕にポツポツと水滴が当たり始めた頃、車にたどり着く。大急ぎで車載キャリアに自転車を取り付けていた頃、嫌に大きな雨粒がボトボトと服に跡を残す。3人揃って泥を払う間もなく車内に飛び込んだまさにその瞬間、文字通りバケツを引っくり返したような猛烈な雨が降り出した。

あと10秒遅れていたら全員びしょ濡れ、冗談抜きでそれくらいギリギリの勝負だった。周囲の景色すら霞むような豪雨に屋根を叩かれながら、車の中で3人揃って大爆笑。ここ最近で一番笑った瞬間だった。

あー楽しかった。

おしまい



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