【チャリクラ必携】技術評論社『ずかん 自転車』が凄かった

レビュー
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いつものように娘と図書館に行くと、こども用の新刊コーナーにこんな本を見つけました。

『ずかん 自転車』技術評論社



まあよくある子供向けの簡単な図解かなんかだろうなーと思って手に取って見たところ、腰を抜かすくらいディープで面白い自転車オタク必携の1冊だったので、ざっと紹介させてもらいます。



 

内容

ぱらぱらっとめくって目に止まった図解の一台からすでにキテる。

ARAYA Diagonale



チョイスが渋い。お、わかってるねぇ・・・などとオタクの悪癖、上から目線でまたパラパラっとめくると・・・

Canondale Topstone Carbon 1 / TREK Checkpoint SLR7



いや待て待て、ちょっとまて。

COLNAGO C68



あれ?これ最近のメーカーカタログか???

他にもGIANTのPROPEL(最新型)やブリジストンのRP9、S-WORKSのフルサスEバイクにKONAのリジッドUNIT-X、小径車ではアレックス・モールトンにキャリーミーと、どう考えてもカタギの仕業とは思えない車体が所狭しと並んでいる。

あまりの迫力にこれは流し見できるレベルじゃねえぞ、と本腰据えてページを捲ると、第1章の自転車の歴史パートや仕組みの解説パートもめちゃくちゃ重厚。


自転車の発明から普及に至るまでの歴史や構造の変遷、フリーハブの仕組み、変速機構の進化、ヘッドパーツの透視図解からビンディングペダルはもちろんチューブレスタイヤやフレームバッグ、果ては「コラム径:キャノンデールサイズ(1-5/8インチ)」なんて記述まで、完全フルカラーでなんでもござれ。


ツール・ド・フランスと同じ尺でハンドメイドバイシクル展(2023)の見開きがあって驚いたが、監修が主催者の自転車文化センターなのでなるほど納得。


OEMの懇切丁寧な説明にふりがな振ってあるの、一周回ってもはやギャグでは…?

 

索引

索引のサンプルがあったので引っ張ってきた。これ見てもらったらその網羅性の高さがわかると思う。


ここに載ってない単語でも、例えば「東京ー糸魚川ファストラン」とか「丸石エンペラー」なども本書には記載があるし、グラベルキングやアジリスト等PanaracerのタイヤシリーズやMAVICのホイール、HOZANの工具など普段お世話になってるようなパーツや工具も多数登場します。

逆に載ってなくて驚いたのは「ブルベ」と「ブロンプトン」あたりかな。バイクポロが載るなら、愛好人数から考えたらあってもいいとは思うんだけど。そういや「ロングライド」もないな。

あと人名にアームストロングが無いのは、果たして漏れたのか抜いたのか…

 

書籍情報

自転車文化センター監修のもと作られた素晴らしい図鑑。

自転車文化センター



これ表紙と帯でめちゃくちゃ損してるというか詐欺ってるというか、もうちょっと大人の自転車趣味人に向けたレイアウトにしてサイスポなんかと並べたらめちゃくちゃ売れると思うんだけどな…。

もちろん図鑑としても飛び抜けて素晴らしくて、自転車の歴史や仕組みも今まで見てきたどんな本より詳しくきれいに丁寧に載せてあるんだけど、表紙から感じる小学生の自由研究ってレベルを遥かに超越した内容なので、絶対自転車オタクが読んだほうが楽しいやつです。
監修:自転車文化センター
著:森下昌市郎
B5判/128ページ
定価2,948円(本体2,680円+税10%)
ISBN 978-4-297-13581-2

技術評論社「ずかん」シリーズ

ずかん | Gihyo Digital Publishing … 技術評論社の電子書籍
技術評論社の電子書籍(電子出版)販売サイト


この「ずかん」シリーズ、自転車以外にもたくさんあって、またそのラインナップが「根っこ」「単位」「ウイルス」「たね」など、面白そうなものがいっぱい。

もし他のテーマもこの本みたいな情報量で書かれているなら絶対面白いに決まっているので、今度どこかで探してみよう。

 

あとがき

いやーびっくりした。ボロい図書館で娘に片手を引かれながらかるーい持ちでめくっただけなのに、いきなりド級の趣味人に真正面からぶん殴られてしまった。

自転車オタクなら絶対読んで楽しい必携の一冊なので、ぜひお手元にどうぞ。



おしまい

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