【レビュー】Hifiman EF400 バランス対応のお手頃濃厚ヘッドホンアンプ

ヘッドホンアンプ

ブラックフライデーの折に前から気になっていたHifimanのヘッドホンアンプが安くなっていたので軽率にポチり。


ちゃうねん、バランス対応のヘッドホンが欲しかってん。


スペック

平面駆動ヘッドホンが有名なHifimanのDAC内蔵ヘッドホンアンプ。

サイズは幅228mm、奥行246.5 mm、厚み61mm。A4よりわずかに幅が広いのが置き場所によっては煩わしいかも。


まず背面から。入力はUSB-Bとtype Cのみという割り切った構成で、mac miniに接続したい自分には必要十分。電源スイッチが後ろ側にあるのが個人的には一番困るポイントで、袖机の狭いラックに突っ込んで置いたら絶対に手が届かないから最悪電源タップで直切りかな。ちなみに付属電源ケーブルはアース付きの3芯タイプなので気をつけろ。


表面にはヘッドホン端子4種類が横並び。

手持ちのANANDAと、新たに手に入れたSHUREのSRH1840にもバランス対応のケーブルは持ってたけど、手持ちのアンプが旧世代のアンバランスだけだったから一度は体験してみたかったってのがいちばんの購入動機。

音質

比較対象は10年近く使ってきたFOSTEXのHP-A8。


使うヘッドホンは同じHifiman AnandaSURE SRH1840、beyerのDT770proLE

全体的な音の傾向としては中音域の押し出し感強めで「描く」よりも「鳴らす」系のマッシブなサウンド。

味付け少なめで音の輪郭をキッチリ描くHP-A8とは違って、細かいことはいいからぶっとい音投げるぞ!受け取れ!って感じの勢いを感じるし、味付けの強さという意味では今まで使ったことのあるアンプの中ではダントツで「濃い」。良くも悪くも出てくる音が激変する。

SHURE SRH1840


特にモニター系のヘッドホンでの変化が顕著でSRH1840がまさにそれなんだけど、HP-A8で鳴らす音からの変貌っぷりはもはや別のヘッドホンちゃうかと思うくらい音場が拡張されて中音域が前に出てくる。



一聴した瞬間はおおすげえ!ってテンション上がったけど、ちょっと落ち着いて聴いてみると、SRH1840の整然とした解像度の高さと音のキワキワまで鳴らすキレの良さみたいなのがかなりスポイルされてしまっていることに気づく。弦の震えまで手に取るように解る音が、全部そこかしこにとっ散らかっるので、お前そういうタイプのキャラちゃうやろ落ち着けはしゃぐなそこ座れ、って気分になる。

なのでモニターライクな音の分離感とか解像度を楽しみたいヘッドホンには合わなさそう。もう手放したけど、MDR-Z1000とかで聴いたらすっごく情緒不安定な音が出そうでいっぺん聴いてみたい。

HIFIMAN ANANDA

さすが同メーカーだけあって合う。めちゃくちゃ合う。ボーカルの得意な「鳴らす」系のANANDAのいいところがさらに増幅されて最高レベルの声の震えが聴こえる。

SRH1840ほど不自然に音場が拡張されるようなこともなく、順当にスケールアップした迫力のある音になる。もともと精緻に音像や配置を描写するタイプではないANANDAのいいところをちゃんと伸ばしてあげた感じ。楽器もちゃんと鳴る。伊福部昭とか、録音そこまでよくないけど迫力を楽しみたい時にはベストマッチ。ガンガン鳴らせ。


DT770proLE


出てくる音自体は一番おれの好みなんだけど、アンプからの影響は一番少なかった印象。HP-A8でもEF400でも、ある程度ボリュームを上げたところからヘッドホン側の求めるベストな音圧ゾーンみたいなのがあって、そこで鳴らすと上から下まで全部が破綻なく乖離なく一体となった最高の音が聴こえる。つまり何で聴いても好き。


操作性

macとのUSB接続は特に設定もなくポン付けで一発認識。

USB出力はスピーカー用のAI-303、HP-A8、そしてこのEF400と3つあるけど、全部同時に繋いでも特にトラブルは起きていない。

ゲイン設定のHigh/Lowとオーバーサンプリングの有無で全4段階の設定があって、ゲインはLOW側でも音量は十分取れるけど、音の好みはHighのOSがいちばん良かったからひとまずそこで固定。

ボリュームの手触りはちょい安っぽくて、極小音域でギャングエラーあるけど実用上は特に問題ない。

あとがき

HP-A8との置き換えを狙っていたけど、キャラがあまりに違いすぎてこれどっちも使いたくなるやつ。

スピーカー用のAI-303と合わせると一つのデスクトップ周りに3つアンプが並ぶいよいよもって異常な環境が生まれつつある。

欲しいヘッドホン増えてきたしよくねえなあ…よくねえよ…

おしまい

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