弊図鑑3台目の登場となる後輩TKDの新たな愛車は、「いつかは」という枕詞が一番似合うフランスTIMEのグラベルレーサー ADHX!
これまでのTKD’s 愛車たち
【THE オールロード】SteelWool Tweed 【42台目】
【ロード】 COLNAGO / コルナゴ C40 B-STAY HP【30台目】
TIME ADHX (Alpe d’Huez X)
ADHX、フレーム : ダイニーマファイバー
フレームは超高分子量ポリエチレン「ダイニーマ」を編み込んだ特殊な製法で、所謂プリプレグ工法に比べて耐衝撃性や耐引裂性に優れているそう。
この機械、ぜひとも生で拝んでみたい。
クリア塗装の奥に整然と編み込まれた覗く炭素繊維の幾何学的な紋様。上等な飴細工のようにも見える。
ラグドの継ぎ跡が目を引くモノステー。好きな人にはたまらないやつ。
クリアランスは38cまでと、最近のグラベルロードの中ではかなり抑え気味のレーシーな設計。
ジオメトリ
自分のFUJI JARIとジオメトリを比較 するとこんな感じ。寸法 | TIME ADHX | FUJI JARI 1.3 |
---|---|---|
リーチ | 373mm | 370mm |
スタック | 543mm | 572mm |
トップチューブ長 | 540mm | 545mm |
シートチューブ長 | 480mm | 540mm |
シートチューブ長 | 539mm | 540mm |
ヘッドアングル | 71.5度 | 71.5度 |
シートアングル | 73度 | 73度 |
ヘッドチューブ長 | 131mm | 150mm |
チェーンステー長 | 420mm | 435mm |
ホイールベース | 996mm | 1016mm |
フロントセンター | 587mm | N/A |
スタンドオーバー | N/A | 804mm |
BBドロップ | 75mm | 67mm |
BBタイプ | BB386 | N/A |
フォークオフセット | 50mm | 48mm |
トレイル | 64mm | 67mm |
ADHXはスタックが3cm以上も低く、リアセンターもグラベルロードとしては最短の部類で、まさに”グラベルレーサー”の面持ち。広域林道なんかの整った砂利道をかっ飛ばしたら気持ち良さそう。
新たにADHX 45が登場
2024年(23年から?)には「ADHX 45」としてタイヤクリアランスを45mmに拡張したモデルも登場。タイム ADHX45 タイヤクリアランスを拡大し、走破性を増したピュアグラベルバイク - 新製品情報2023
フランスのレーシングバイクブランド、タイムのグラベルバイク"ADHX"に走破性を向上させた新モデルの"ADHX 45"が加わった。タイヤクリアランスを拡大し、よりピュアにグラベルへとフォーカスを当てた一台となる。タイム ADHX 4(バーティカルレッド) (c)ポディウム
ただチェーンステー長が430mm、ホイールベースも1000mmを越え、汎用性は上がったが無印ほどの尖った感じは薄れた。
ステム : DEDA ELEMENTI S-DCR
フル内装のフレームでもノーマルステムが使えるDedaのヘッドパーツ。最新のフル内装フレームを手持ちのパーツで組みたいときに重宝するやつ。
コンポ : SRAM RIVAL eTap AXS
メインコンポはSRAMのRIVAL eTap AXS。
レーシーなフレームに反して46-33tのダブルクランクはサイクリングユースにちょうどいい。
洒落たフレームにSHIMANOの無骨な片面SPDもミスマッチだが、この日は部室に転がっていたクリート位置もメチャクチャな謎のSPDシューズをかっぱらっての出走だったので、ある意味バランスは取れていた。
スプロケは12速のアルテグラでSHIMANOとSRAMのミックス。もちろん変速に問題なし。
シートポスト : Canyon VCLS Sratpost
割りの入ったCanyonの衝撃吸収機構付シートポスト。知り合いだけでも愛用者が数人がいるが、振動吸収性の高さは皆一様に口を揃える。
ちなみにこのADHX、シートポストの固定は至って普通のクランプだけど、カーボンフレームに段差を付けることで見た目の違和感をなくし、野暮ったさを感じさせない。
ライト : Bontrager Ion 200 RT
TKDイチオシの装備。BONTRAGERの超小型フロントライト。
このサイズで200ルーメン(1.5h)の光量は素晴らしい。実際に光らせてみたけど昼でもかなり明るかった。
デイライドでのトンネルや想定外の日没後の緊急用と割り切っての運用にはこれくらいがちょうどいい。VOLT結構重いもんな…
ボントレガー Ion 200 RT フロントライト - Trek Bikes (JP)
Bontrager Ion 200 RT Front Bike Lightに乗って記憶に残るサイクリングを今すぐ探す
精度 あるいは許されざる交差について
「そうだ、聞いてくださいよ」と、TKDが切り出した。おもむろにノギスを取り出して測っているのは前三角のボトルケージをつけるためのダボ穴。
ダウンチューブとシートチューブにそれぞれ2つ空いたダボ穴。
もちろんここは統一の規格があって、その間隔は64mmと定められているはずだけど・・・
「トップチューブとダウンチューブでダボ穴の間隔が1mm以上も違うんですよ… おかげでお気に入りのボトルケージが使えませんでした。」
Oh…
本来64mmであるべき穴の間隔が1mm違っていれば、単純に考えてその誤差は約1.5%。
所謂JISで定められている一般公差では、30〜120mmの寸法で1mm以上の誤差となると、公差等級vの「極粗級」という分類になるらしい。
0コンマの精密さを求められる金属製品などに比べて、たとえば樹脂製品などでは公差は広めに許容されるらしいが、それにしたって定価60万以上するフレームで市販のボトルケージが着かないレベルの誤差ってどないやねん…
なんてことを話していると、「S-W◯rksなんかも酷いもんですよ…」というしみみーのつぶやきがボソッと聞こえてきたり、そういえばおれのJARIのフォークダボもネジが曲がって入ってくんだよな…などなど、工業製品としての自転車の闇にしばし思いを馳せた。
我が社の自転車はすべてのダボ穴のタップが1mmのズレもなく、確実に垂直です!! シートチューブにバリはありません!ディスク台座もBBも、間違いなく水平面が出ております!エンド軸の歪みなど、あろうはずがございません!!あらゆる誤差に返金対応いたしております…!!この精度でお値段なんと…!!
いくらするかなぁ…
おしまい
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