【THE オールロード】SteelWool Tweed 【42台目】

自転車図鑑

DCC OBラン2019

大学時代に所属していたサイクリングクラブのOBランに参加してきました。

50年以上の歴史があるクラブなので、参加者も還暦過ぎから現役生まで様々。だからといって気楽なコースでお茶を濁すのではなく、現役時代と同じように京都の名だたる峠や林道をガッツリ攻めるかなりハードなライドです。そんなイベントに集う皆さんの愛車も個性が光る垂涎モノばかり。

というわけでこれからしばらくは、DCCのOBラン2019出走車から現役・OBを問わずよりすぐりの一台を紹介していきます。

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SteelWool Tweed

owned by – 大阪(TKD)@ryoshindenko

手始めには【30台目】で紹介したC40に続いて2度目の登場となる盆栽サイクリストTKDの新たな一台。SteelWoolはカナダのオタワにあるTALLTREE CYCLESが展開するブランド。



やりたいことは何でもできる、最高に自由なカナディアンメイドのスーパーマルチパーパスバイクです。

フレーム

コロンバスのパイプを使った鉄フレームですが、まずリアエンド幅が132.5mmというところからすごい。クロモリなので2.5mm曲げるくらいどうってことありません。ロード/MTBどちらのコンポで組むのも自由。持ってるパーツを好きなようにつけて組んでみることができます。

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情報量の多いシート付近。ドロヨケやキャリア用のダボ穴は当然完備。Vブレーキのつけれるしカンチ用の受けもある。さらに…
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ディスクブレーキもつくよ! 合わせるのはTRP SPYRE
ちなみにワイヤーは「後輩に頼んだらくっそ高いデュラのインナー買ってきたんですよ…いつもはモノタロウの200円ぐらいのやつ使ってるんで、値段10倍ですよ…!!」とのこと。
モノタロウでワイヤー買えるんかい。

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なおライナー管も無いのでフレーム保護は養生テープで。

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そんなフリーダムな一台を彼はどう組んだのか。細部を見ていきましょう。

っと、その前に。先程の養生テープとかバーテープが巻かれてなかったりとか色々とRAWな感じが醸し出されていますが、それもそのはず。こちらのツイートを御覧ください。

そう、何を隠そうこの自転車は行事当日朝に部室で突貫組み立てられたもの。というか出発時にも実はまだ細かい処理が終わってなくて、最終完成したのはスタート後最初の休憩地点。

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ライド中に自転車組むやつ始めて見たわ(なお、バーテープは最後まで巻かれることはなかった)

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雨のためダボ穴も養生テープでフタ。

ドライブトレイン : SHIMANO ZEE / RACEFACE 36T

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なぜかダウンヒル用コンポのZEEが。こういう闇鍋感めっちゃ好き。
面白いのはギア比で、フロントシングルのRACEFACEが36T。ほんとは34か32Tぐらいで来たかったそうだけど、まあリアもローが36Tあるしなんとか…と思っていたらとんでもない落とし穴があったのです↓

シフター : GEVENALLE CXV (リア) / ディレイラー : SHIMANO ZEE

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変速はギブネールでスタイリッシュに。インデックスとフリクションの切り替えもできてバッチリじゃないかと思ったんだけど、ここで衝撃の(考えてみれば当たり前の)事実が発覚します。

今一度、リアの変速を思い出してください。
DSC00845使用されていたのはSHIMANOのZEE RD-M640。つまり、あの悪名高きDYNA-SYS問題です。この規格はMTBコンポが9速から10速になったときに現れたもので、それまではロードもMTBも共通だったものがDYNA-SYSからはワイヤーの引量に対するディレイラーの動く幅が小さくなるよう変更されてしまいました。

フリクション機能があるから変速調整も楽勝…と思ったのですが、ここで問題になってくるのがそもそものキャパシティです。シフターを同じだけ動かしてもディレイラーの動く幅が少ない、つまり、

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トップから限界まで引いても3速からしか使えないという悲しい現象が起こるのです。11-36Tにおける3速というのは28T。つまりギア比は1.28!

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おにゅう峠を満足気に歩ききった彼は、そのままサポートカーの中に消えていった…

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右のギブネールとセットになってるのはTEKTROの純正品。左は全く同じデザインですが、本人曰く「中華のパチモン」 。その違いはちょっと乗らせてもらうと一発で明らかになりました。
違いが出るのはブラケットカバー。TEKTROの方は硬質なゴムでしっかり握っても問題なく使えますが、模造品はゴムが明らかにブヨブヨのグニグニです。上りのダンシングで力を込めると外側にブラケットごとヨレて行ってしまい乗りにくいことこの上ない。パチモンの酷さとTEKTROの凄さを交互に感じる格差ダンシングだ。

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ハブは絶版になったアルマイトピンクのデッドストック品。めっちゃいい音してた。
ちなみにこのホイールもこの日が初実践投入。

タイヤ : WTB horizon 47c

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2年ほど前発売と同時に購入して眠らせていたというロードプラス規格のタイヤ。

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ノブ無しスリックだけど砂利の上りなんかはめちゃくちゃ快適とのこと。

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あとがき

オーナーの嗜好によって如何様にでも姿を変える最高に自由なこのTweed。
肩肘張らずに部屋の隅に転がってる余ったパーツをぱぱっと組み付けて乗ってみる、そんな楽しみ方が似合う懐の深い自転車です。未完成のまま出走したり、規格があってなかったり、それができるのもまた自転車乗りとしての経験とノウハウがあってこそ。真の自転車好きのための一台だと思います。

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雨に打たれる鬼斜度の芹生峠がこの一台の初クライムとなりました

おしまい





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