前回からのつづき
廃道へ合流
一山越えて隣の谷筋へ。地形図上では黒の実線になっているものの、路面は荒れ果て草木が茂る廃道状態。これが楽しいのなんの。
地形図上では黒の実線(軽車道)になってる廃道。
— やくも (@wartori621)
路面状況がわけわからんくらい目まぐるしく変化してクッソ楽しかった。 pic.twitter.com/74Gp0zMCrt
May 29, 2021
YouTubeの方がだいぶ高画質
途中釣り人らしきおっちゃんに出くわし少々ビビるが、徐々に近づく素っ頓狂な奇声の主に相対するおっちゃんの困惑に比べれば大したことはない。
舗装林道で峠へ
しばらく行くと舗装された林道に出る。とは言え車通りは殆どなく路面には落石がゴロゴロ。林道斯くあるべし。時刻はちょうど昼飯時。ギアをインナーローに落とし、パンとおにぎりをもぐもぐしながら標高800m弱の峠まで焦らず急がずのんびり進む。
ふと道路脇に異様な気配を放つブツを発見
食われて朽ちたか、朽ちて食われたか、いずれにしてもかなりの大きさだが去年のアレに比べたら、少々の驚きはあれど恐怖は無い。思えばこれほど大きな動物のrawな脊椎や大腿骨を目にする機会なんて普通に生きてれば滅多に無いよなぁ。
おまえはこれから朽ちるのか。
至高の鹿追いグラベルダウンヒル
舗装林道の最高地点に到着。ここからが後半のメインディッシュ、10km超の長距離グラベルが始まる。
鈴は家に忘れたので、例の如く歌う。独り言もガンガン言う。嬌声も悪態も、全ては我が身を守るため。そういうことにしておいて。
右上のガードレールに目がいく。舗装路だったら呻くけど、砂利道となれば感嘆に変わる。
いま来た道を見下ろす。谷筋を一つ越えると砂利の質も変化して飽きない。
ガレ具合も絶妙。何も考えずに突っ込むと前輪を取られるけれど、路面に集中すれば確実に登れるちょうどいい塩梅。
飯を頬張りながら漫然と登る舗装路と違って、一漕ぎ一漕ぎ味わうように砂利を踏みしめて進む。
舗装路の峠からさらに100mほど標高を上げたところで大きく空が開け、尾根筋へ巻く切り通しが姿を現した。
素晴らしい…
そして問題の断絶区間。結果はというと…
突破!!優勝!!
遠くに琵琶湖が薄っすらと。次回デスビワイチのコース決まったなこれは()
さあ、そして始まるグラベルダウンヒル。ここが本当に素晴らしかった。今までいろんなグラベルを下ってきたけど間違いなく過去最高レベル。これはもう動画で見てもらうのが一番。
動画の中でも「最高」って何回言ってるかわかんないけど、ほんとにもう、最高でした。
決して整った路面じゃなくて、こぶし大の岩もゴロゴロ。
細かい岩片が深めに積もっていて、適度にタイヤが路面にめり込むのでかかり気味のコーナリングが楽しいのなんの
砂面あり、デカ目の落石あり、ジャンプ決めれるバンプあり、さながら専用コースのよう。
グラベルバイクでぶっ飛ばして楽しめる上限ギリギリの難易度。楽しくないわけがない。面白すぎて笑いが止まらない。
半分ほど下ったあたりのカーブで、不意に斜面から一匹のシカが飛び出してきた。
GoProの超広角レンズのせいでかなり遠くに見えるけど、実感としてはほんの目と鼻の先。突然の遭遇に向こうもパニクってるのか、ずっと道に沿って走り続けている。
コーナーで先行され流石に逃げたかと思いきや、曲がった先でまだ目の前を走っている。
これは全力でいったろやないけ…
待ぁて待て待て待てぇぃぇええええぃあぁあ!!!!
HHHHHYAHHHHOOOOOOOOO!!!!!!!
いつかやってみたかった野生動物の追い撮り、しっかりGoProに収めることができた。絶叫注意。
現代の山賊 https://t.co/XpmoUigXmD
— Geek the ride (@Ff14Geek)
May 29, 2021
光栄です。
最後は美味しくいただきました()
パンク修理とサル
そんなこんなで至福のグラベルダウンヒルを終え、コンクリート道が現れてきた刹那、フロントタイヤがブッッシュウウゥゥウーーーー!!!と音を立てて凹み始めた。実は冬のリム曲げライドで食らった2連撃でタイヤ自体もそこそこ大きく裂けてしまっていた。Panaracerのチューブレスリペアキットを詰めて補修はしていたけど、流石にこれだけド派手に砂利道を下って抑えが効かなくなったようで、突っ込んだゴム片がほとんど抜けかけてしまっている。
半ば覚悟はしていたので、むしろ未舗装部を下りきるまでよく保ってくれたとも思ったが、それはそれとしてたまにはノートラブルでライドを終えたいお気持ちを表明しておく。
日陰で虚しくシュコシュコやってると、どこからかキーキー耳障りなヤジが飛んできた。
樹上に目をやると…誰やお前
さっき追いかけたシカのツレだろうか、意趣返しとばかりに執拗に罵声を浴びせかけてくる。
「怒ってるサルに歯を見せてはいけない」ということは知っていたが、売られた喧嘩だ遠慮はしない。腹の底から全力で、大口開けて咆哮一発。
果たしてサルは尻尾を巻いて逃げていった。
祓走
シカを追い回し、サルに吠え散らかし、ふんぞり返って最後の林道を走る。こういうプリミティブな衝動の開放が許されるのもサイクリングの醍醐味だよな。人間様の強さを存分に思い知れってんだ!!! はーっはっはっは!!!!
あっ…
やれやれだぜ…
おしまい
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