東近江界隈をめぐる山サイ&グラベライド、川沿いの和やかな林道から渡渉して尾根筋を担ぎで越え、荒れた舗装路で峠へ登ってグラベルでがっつり下る、とても50kmとは思えない最高に楽しいサイクリングができた🙌
湖東のポテンシャル完全に舐めてたわ😇 pic.twitter.com/37SQSbHb97
— やくも (@wartori621)
May 29, 2021
まさかこんな濃密な山岳サイクリングが湖東でできるとは思っても見なかった。
行き止まりの林道から稜線担ぎ越えして隣の谷の林道へ、山岳サイクリングを満喫した前編のはじまりはじまり。
ルート検討
ある日の夜、国土地理院図を眺めていると今まであまり注目したことのなかった湖東の山間部に面白そうな道を発見。
なぜか途中で切れてしまっているけど、ここが突破できるなら10km近いグラベルダウンヒルができるかもしれない…(ゴクリ)
当然この時点ではこれが未舗装路かどうかなんてわからないけれど、付近には他にも良さげな林道が点在しているので、ひとまずRideWithGpsを使ってザッと50kmほどのルートを引いてみる。
右下の川沿い林道から来て左の川沿いへ抜けたい。
どうやら丸で囲んだ登山道で尾根筋を越えるといい感じにルートが繋がりそうだ。等高線の狭さから見ても、乗って進むことは間違いなく無理だろう。
となれば自転車は担いで進むしかないか。
楽しいサイクリングになりそうだ…
装備
行きたい道が決まったら、そのために必要な装備を整える。
自転車 : FUJI JARI 1.3
担ぎの距離が長いので前三角のボトルケージはすべて撤去し、フロントフォーク積載で行くことに
MuddyFoxも一瞬考えたけど、長時間担いでしっかり登山することを考えればJARIの軽さは大きなアドバンテージになる。
フォーク積載 : DAVOS GP-1 / ミノウラ SC-100 スライドケージ
そしてもう一つ、今回のライドで試したかったのが出発前日に着弾した新兵器、フカヤのオリジナルブランドDAVOSから登場したグラベルパッキングケージ GP-1
詳しいレビューは別記事に譲るけれど、結論だけいえばめっちゃ良いです。主力投入決定。
ケージには5Lのドライバッグを積載。中にはカッコつけてコッヘルとバーナーなどの自炊道具、あとは念の為ウインドブレーカー詰めてみたけれど、止まる時間がもったいなくて結局一度も開かなかったので実質ただの重り。次の長旅のためのテスト使用ってことでヨシとしよう。
反対側には先日レビューしたミノウラのスライドケージを下限いっぱいに取り付けて1Lのボトルを積んだけど、長いグラベルをぶっ飛ばして下っていたら途中で折れてしまった…
タイヤ : Panaracer グラベルキング EXT 700×38c
国内未発売なグラベルキングのレア物。
実は冬のリム凹ませライドのときに大穴が空いており、修理キットと強力なシーラントでかろうじて延命させている状態だが果たして…(フラグ1)
出発
Terzoの車載キャリアで現地入り。
コンビニはおろか自販機の存在すら危ういコース設定なので、麓の街で補給食と水をあらかじめ調達しておく。
諸々パッキングして出発!
陽光の差し方が完全に夏だけど、気温は20℃ちょっと。This is 最高にちょうどいいTENKI。
川沿いの林道へ
走り出してすぐに林道入り。
地図によると広い谷筋の川沿いに廃村跡まで10km弱続く一本道。
舗装されていれば興醒めだけど果たして…
未舗装!よし!
開けた川床を走ったり
かと思えばちゃんとしたトンネルやガードレールもあったり
透き通る渓流を間近に見ながらどんどん進む。
釣り人の姿もチラホラ。
勾配は緩やかな上り。
洗い越しも多数
廃村跡に近づくに連れて川幅が増し、ほとんど川床を走るような道になってきた。
オフロードバイクの方々も川遊び
廃神社。木の腐り方を見るに増水路は鳥居の足元まで水に浸かるようだ。
いざ、山越え
さあここからが本番。
林道は一本道の行き止まり。先に進むにはひとつ隣の谷筋まで稜線一本越えねばならぬ。
地形図を確認すると登山道の入り口がどこかにあるはず。川向かいの斜面に目を凝らすと…
赤いテープ。あれだ…
周囲を見ても橋なんかないので、そこそこ流れの早い川をジャブジャブ渡るか飛び移るしか道はない。空身ならわけない距離だけど、自転車を担いでとなるとギリギリ。先は長いからここでずぶ濡れはやだなぁ…
とりあえず一度自転車を置き、どうしたものかと考えていると、斜面から太い木の根がぶら下がっているのを発見。一度空身で飛び移り、軽く引っ張ってみるが千切れそうな気配は無い。これなら行けそうだ。
対岸に戻り、再度自転車を肩にかけてトライ。片手で根っこを掴んでエイヤっ!!!と斜面に身を引き寄せる。なんとか斜面にへばりついたものの、両手がふさがった状態では急な斜面を登れない。根っこを掴む左腕の限界が近かったが、肩にかけた自転車をやっとの思い出斜面に投げ上げどうにか無事渡り切ることができた。
渡渉直後の斜面、振り向けば木陰にお地蔵さまが。確かにここが登山道で間違いなさそうだ。
仰々しく奉られる神仏よりも、在るべきところに佇む地蔵のなんと心に寄り添うことか。しばしその静かな威容に見惚れてしまった。
気を引き締めて急登に挑む。
脚を滑らさないように、ホイールが枝に引っかからないように、壁のような斜面を一歩一歩進んでいく。
たった今走ってきた川岸を、乗ってきた自転車を肩に担ぎながら下に眺める。この緩急がたまらなく心地良い。
谷筋に来ると斜度が緩む。
入り口が入り口なだけあって、人が通った痕跡もそれほど多くはない。気を抜けばコースを見失ってしまうので、要所にかけられる赤いテープを慎重にたどる。
ハンドルバーにつけたGoPro、少し角度を上にすれば担ぎでもいい感じに撮れた。
のんびり休憩もはさみながら40分ほどで尾根筋が見えてきた。
MTBなら尾根筋の縦走も楽しめそうだけど、今日はただ越えるだけ。
今登った分とほぼ同じだけ、反対側の谷筋を下っていく。
途中何度か脚を滑らせながらも川沿いまで降りてきた。
ザーッと聞こえる滝の音。進むべき林道はまたしても川の向こう。
でも今回はありがたいことにちゃんと橋がかかっていた。
ちゃんと橋が…
ちゃんと…
いや怖いわ。
これ穴空いてるのは一箇所だけなんだけど、そもそも真ん中の金網がだいぶ柔くて踏めば普通に撓んでる。こんなものに自重プラス自転車合わせて80kg超を預ける気にはなれないので必然的に橋の鉄骨部を渡るしか無くめちゃくちゃ怖かった。
どうにか無事に山を超え、隣の谷筋の林道へと到着。
そしてここからいよいよお待ちかね、至高のグラベルライドが幕を開けることになったのですが、その顛末はまた次の記事で…
つづく
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