【きゃんつー集い】DAY1 旧北陸線隧道群と廃道サイクリング

サイクリング
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「きゃんつー集い」とはなにか

まずは過去の様子を参照してほしい。


愛車イェーガーに時に跨がり時に担ぎ、日本の世界の山を越えてきた筋金入りのサイクリスト醍醐漫@penassos 氏の呼びかけのもと、参加者ひとりひとりが定められた野営地に向けて各々好きな場所から出発し、思い思いのルートを辿り、集い、一夜の交流を経て、またそれぞれの旅路へと散開していく―

自転車ツーリングを愛する同志たちの自己完結の旅の最中に現れる、約束された一時の交点。まさに「集い」という言葉でしか言い表せない唯一無二の時空間。

そんな素敵な集いが今年は滋賀県余呉で開催されるとの報せを受け、念願叶って初参戦を果たした。

約束の地へ向けて大好きな道を走ったサイクリングと、集い。その記録。

きゃんつー集いへの道 side : やくも

出発

京都駅6:59発のサンダーバード1号(始発)に乗るつもりが、途中の電車でテント道具一式を詰めた防水バッグを車内に置き忘れる痛恨のミス。

幸い終着駅ですぐに回収できてほっとひといき。これで旅がおじゃんになってたらと思うと心底ゾッとする。

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それはそうと、輪行するなら裸足にスリッパに限るよな。

結局40分ほどのロスで済んだため一つあとのサンダーバード3号で敦賀駅に9時前に到着。

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敦賀駅での輪行解除、昔はよくやったものだけど随分久しぶりだ。

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コンビニで2Lの水を買い、ダブルボトルに並々注いで、余った分は頭からザバァ。通行人の冷ややかな視線も気化熱には遠く及ばない。

敦賀駅を出たら北陸道沿いに北上し、大好きな福井県道207号線を目指す。

旧北陸線隧道群へ

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川沿いでもないのに土手の上を走る直線的な道。ここはすでに旧北陸線跡、つまり、かつての線路だ。IMG 7814IMG 7818
半世紀前に汽車が煙を煙を吐きながら進んだ隧道をいくつもいくつも抜けていく。たまらない。

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19歳の夏、人生初めての自転車野宿旅でこの道を通った。海沿いで車の多い国道8号を行くのが嫌で、何も知らないまま激斜度の横道を登った先にたどり着いた謎の隧道群。腹まで痺れるくらいに感動した。

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何回来ても心震える素晴らしい道だけど、ともすればそれもあの日の感動の余震かもしれない。いつまで揺れてくれるだろうか。

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凶悪な夏の日差しを優しく冷たい隧道の中から除く。クーラーを入れた室内よりもはるかに涼しい。

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廃道サイクリング

隧道群を抜けて林道へ入る。ここからは初めて通る道。

栃ノ木峠へ至るR365が通行止めのため、ここから細かく林道を繋いで別アプローチで峠を目指す。

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この道もまた、山に還っていく途中のようだ。

久々のサイクリングに加えてフル装備での登坂は情けないほど遅いが、それほど急ぐ旅でもない。

いくつかの崩落を押し歩きを混ぜながらのんびり登り、昼過ぎには栃ノ木峠にたどり着いた。

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R365より北は噂通り通行止め。バリアブロックの質量から判断するに補修の工事車両は福井側から来るのだろう。なかなか厳重である。通れないとは言ってない

余呉まではこのままR365を真っ直ぐ下ればあっという間だけど、それじゃあどうにも華がない。てことで一本東へ逸れてよりマイナーなr285をゆくことに。

R365の椿坂峠を迂回する形で高時川沿いを進むr285、google mapにもがっつり載ってる県道なのでのんびり廃村を繋いで行けるのかと思いきや…

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こちらもしっかり終わっていた。

人口が減り、自治体の予算が減り、日本全国これからどんどんこんな廃道が増えてくるのだろうか。

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約束の場所は目と鼻の先。でもまだ時間があったから、最後にもう一本だけ林道を挟んでおく。

尾根筋を南北に伸びる軽車道、未舗装だったら嬉しいな、とちょっと余分に山を登ると…

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Yeah!!!!

てなわけで最後のご褒美グラベルをかっ飛ばし、砂利道の終点にたどり着いたそこは…

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狙ったようにドンピシャリ。

きゃんつー集い2023 約束の地 ウッディパル余呉、現着!!

 

集いの場、ウッディパル余呉

スキー場を利用したフリーサイトの広いゲレンデには、すでに数名の先着隊が。

誰が来るのか来てるのか何も知らないまま飛び込んだが、この日がリアルでは初対面の醍醐慢に会敵一発叫ばれるおもろいハプニングを皮切りに皆さん快く迎えてくださった。

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雑談の合間にTwitterを覗くと、見知ったフォロワーさんたちが四方八方から続々と近づいてきているのがわかる。(この瞬間までほとんどTLも見れてなくて誰が来るのかもわかってなかった)

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まだ高く登る日に灼かれながら、来たものから順に思い思いの場所に設営を始める。

面白かったのは途中から合流して二人で余呉へ向かってきていた たけひーさん と てらこさん。


このあたりのサイクリストにはおなじみの「柳ヶ瀬隧道自転車通れないの!?トラップ」に見事にハマっていた。



普通に考えれば大変厄介な状況である。

ここさえ抜ければあと10kmもない距離なのに、迂回するとなると倍どころか30km近く大回りしなければならない。さあどうする…??と思っていたら…


そうだよな、そうなるよな。

忘れちゃいけない、今日この余呉に集結するのは全国津津浦浦の谷山川を越えてきた、魑魅魍魎と書いて自転車野郎と読むクールでマッドな輩たちなのだ。トンネルの一つや二つ塞いだところで、その歩みを誰が止められようか。

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こうして総勢9名がそろう。

山から直行でたどり着いた自分とたけひーさんは飯の持ち合わせが無いので、少し離れた木之本市街まで下って買い出しへ。

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行きはよいよい、帰りは怖い。

平和堂で買い込んだ酒と飯をパッキング。

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全部積めるか…?

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「完璧」

キャンプ場に帰るともうみんなは車座で各々の飯を広げていた。急いで輪に加わり、火をつけて湯を沸かす。

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そして始まる宴の時間。

主宰の醍醐慢氏のはからいで改めましての自己紹介を済ませたあとは、今日走ってきた道、これまで越えた山、次越えたい峠、こんな道具使ってみたんだけど、あの時実はこんなことがあって…

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SNSでの交流では決して伝わらない熱と想いが混ざり合い、話せど話せど話題は尽きない。

遠く山の向こうで猛る雷光を眺めながら、あと大量の蚊に沸る血を献上しながら、集いの夜は更けて行った。

 

つづく↓

【きゃんつー集い】DAY2 豪雨、雷鳴、品又峠

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