CHERUBIM / ケルビム Racer Stainless DISC
毎月第2日曜日に枚方宿の歴史街道で開催される五六市に行ってきました。
大勢の人で賑わう街道沿いを歩いていると、前から何やらかっこいい自転車を押したサイクリストがお一人。すれ違いざまにちら見したらどう見てもタダモノじゃない感じだったので、例によって取材させてもらうことに。2日連続のケルビムです。
(今更ですが基本的にこのブログに登場する自転車は、道すがら出会ったサイクリストにその場でいきなりお願いして、色々お話聞きながら写真撮らせてもらっています。傍目には完全に不審者。)
この一台はオーナーさんが展示会で今野製作所の代表、今野真一さん本人からおすすめされ、サイズもちょうどよかったので即決したそう。
まだ数台しか出回っていないであろうステンレスディスクロード、細部を拝見していきましょう。
フレーム : REYNOLDS 921 ステンレスパイプ
クロモリパイプでも有名なレイノルズ社ですが、このステンレスチューブは今野製作所との技術提携で生まれた試作品。 クロモリよりも硬く、加工が難しいステンレスですが…
オーナーさん曰く一番のポイントはここ。ヘッドチューブの接合部。
内側がなめらかな曲線を描いています。こういった形状を「フィン」と呼ぶそうですが、カーボンフレームならこういう造形も珍しくありません。しかしこれはステンレス。もとは丸い真っ直ぐなパイプです。
これは私のエクタープロトン。同じように鉄パイプをロウ付けするラグレスのフィレット加工していますが、フィンはありません。
エアロ効果かデザイン面での意匠をねらってのことかはわかりませんが、このフィンを作る作業はビルダーにとってかなり骨の折れる部分なんだそうです。(参考 : Rew 10 Blog 『意地』)
今野真一のシグネチャー入り。
他にも細部がめちゃくちゃ攻めてる。例えばこれ。
クリアランスせっまい!! タイヤはGP4000SⅡの23c。 25cは履けなさそう。ブリッジだけじゃなくて…
こっちも!
ディスクロードは25Cどころか、28Cがメインになるかもというときになんてピーキーな設計なんだ…
かと思えばシートステーはしっかりとベンド。乗り心地がとてもいいそうです。
快適性はタイヤに任せずフレームでなんとかするということなんだろうか。
リアエンドは思い切った肉抜き加工。
シートポストの固定はクランプではなくフレーム埋め込み型。見た目もガチャつかず綺麗なロウ付けを堪能できます。
これぞハンドメイド!って感じの意匠がそこかしこに。
フォーク : ENVE ROAD DISC BRAKE FORK
ENVEの最新カーボンフォークで。ケーブルも内装できてスタイリッシュです。
ちなみにヘッドチューブはテーパード。ここも曲線が艶やか。
スルーアクスルにフラットマウントの最新規格。
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ホイール : DT SWISS P1800 SPLINE 32
P1800はリム高2種類あって、これは高い方。
シフター : SHIMANO ST-R785
電動油圧STIの初期モデル。一目でそれとわかる独特なデザイン。
ペダル : crankbrothers エッグビーター
ペダルは街乗りにも便利なエッグビーター ほんと名前の通りの形してる
SPDでも片面と両面では使い勝手全然違うけど、4面の嵌めやすさは推して知るべし
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ステム : THOMSON Elite X2
アルミの塊から削り出す、トムソンの代名詞的ステムで、ステムはこれしか認めない!という厄介…失礼、熱心なファンも多い。自然と視線を誘われる存在感がある。
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あとがき
昨日のULIに続いて2日連続で素敵なケルビムにお会いできました。
怒られそうだから言わなかったけど、一目見たときの感想は「かっけえ!ウルトラマンやん!!」(初代ウルトラマンの怪獣なら身長体重全部言える程度には好きです)
ロゴのあたりを “CHERUBIM”とかにしたら完璧じゃないだろうか。そんで体力減ってきたらテールライト点灯したりして。 …違うか。
おしまい。