18:00
まだ明るい。涼し…くはない、たぶん32℃くらいはある。
温泉横のレストランで腹ごしらえして出発。この頃にはもう日は山の向こうに沈んでいた。
九頭竜湖にかかる橋の上から。カメラは初代RX100
さあ、大好きなナイトライド。
ダム湖沿いからR158を東進して郡上白鳥の街に下りそこからR156を北上。白川郷を目指す。
大雨の被害もあって通行止区間も多く、車通りは皆無。
誰もいない真っ暗な山道を独り走る。こんなナイトランが大好きだ。
普段の生活では絶対に味わえない孤独感。
暗闇に独りの不安と、誰にも感知されない安心感という矛盾した快感。
白川郷まであと少しのところで御母衣ダムが姿を表す。オレンジ色に光るトンネルの途中に突如現れる入り口。
かなりいいペースで走れたこともあって夜明けまでここで休憩することに。体力じゃなく、こころの回復。甦り。
靴を脱いで靴下も脱いで、脱げるだけのものを全部脱いで、ダムの天端に大の字で夜空を見上げる。
谷上から吹く風は火照った体にちょうどいい冷たさ。
山が洗われる音。
背中に感じる巨大なダム。
コンクリートの匂い。
少し雨の匂い。
星がのぞく途切れ雲。
ああ…ここに来てよかった…!! と心の底から思える瞬間だった。
気がつくと一時間ほど寝てしまっていた。時間はAM4:00。向こうの空が白い。
すっかり体も冷えてしまい、白川郷までの下りをブルブル震えながら下る。あんなに暑かったのが嘘みたいだ。
そして到着
朝の白川郷。この時間にここに着くよう、今回のルートを考えた。
あのつむりさんが言ってた
白川郷に行くなら絶対観光客いない時間がいいし、更にいうと日の出と同時に着くくらいがいい。少しずつ群青色に染まる空、朝日が差し込む瞬間、緑が色付いていく様、何もかもがいい。
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5)
という教えに従ってみたんだけど、ほんとにそのとおり。
あいにくどんどん雲が増えてくタイミングで日が差す景色は見れなかったけど、白く浮かぶ村の古民家にだんだん明かりが灯り、少しづつ生活音が聞こえてくる。
世界遺産、日本有数の観光地としてではなく、この山間に住む人達が暮らす郷がじんわりと迎える朝の空気に浸ることができた。
静かな朝にラチェット音を響かせるのが申し訳なくて、重いギアでゆっくり進んだ。
展望台より
郷の外れでは朽ちた家屋も。
家にも還る場所があるって、すてき。
5時を回ると、ぽつぽつと観光客の姿も増えてきた。郷の宿泊者だろうか。
ここからは、金沢まで下り基調の80km。
うかうかしてるとまた灼熱が天に登る。
途中の五箇山トンネルまでの上りが想像以上にきつくて焦ったけど、なんとか8時半には金沢駅に到着。
ここはもう何度も来てるので、サクッと輪行しておなじみのサンダーバードへ。
締めのコーラも忘れず確保。
ふうっと一息、よく走った。
出発したのが土曜の深夜、ほぼ日曜。家についたのは月曜の昼。まだ半日余ってる!
1日半とは思えない、濃密なライドでした。
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