リッチーのちょっと変わった形状のハンドルを2年ほど使っている。

娘とのお出かけ時に立ち寄った自転車屋で衝動買いしたもの。あのころは身の丈と大して変わらなかったのにな。
マディフォックスを街乗り運用する際に手首の角度が無理なく持てそうでゆるっと乗るには良さそうだなと思って導入し、そのまま休日のサイクリングにも度々動員された。
結論から言えばそろそろ普通のフラットバーに戻そうかな、と思っているのだけれど、そのあたりの経緯も含めて総括レビューしておく。
スペック

ハンドル長800mm、バックスイープ27.5°、ライズ35mmという数値だけではイメージし難い独特な形状。
単なるバックスイープではなく、一度前方へ曲げたあとに再度後方へと戻る所謂カモメハンドル。

ステム位置とグリップ部の関係性だけで見ると少し手前に帰ってくるように見えるものの、ハンドル幅が800mmと長いので、それまで660mmを使っていた自分の場合は同じ90mmのステムではポジションが遠すぎた。
手持ちのステムをいくつか試した結果、最短の60mmが一番しっくりきたので、そのまま継続で運用している。
あとは手首の角度が変わったせいか、ブレーキレバーの位置に少し違和感があり、フラットバーで使っていた時より1cmほどグリップから離すと良い具合だった。
使用感

走行時は凸部にライトとGPSロガーを装着。フラットバーよりも前方に配置されるので画面が見やすい。
中央の凹部にはウエストポーチ(HYNOW DUCKPACK)がいい感じに収まる。

そのままでは角度がしっくりこないので…

輪行&お気楽行動用のスリッパを間に挟んで位置調整。
なにせ幅が広く曲線部も多いので、いろんなものを雑にくくりつけられるのがツーリングでは重宝する。

これまでフラットバーは660mm(デュアコン使用時は580mm)と、最近のMTBとしては短めのハンドルを好んで使っていたため、800mmという長さは最初なれなかったが、確かにグラベルなどでの安定性はかなり向上した。
ステム長60mmではハンドリングがシビアになりすぎるかと思ったが、バックスイープで持ち手が立ち気味になったことと相殺してかコーナリングもこちらのイメージ通り曲がれるのでそれほど違和感はない。

先日近場だからと油断してテキトーに引いた山越えルートでとんでもない急斜面を下るハメになった際も、ハンドル幅に助けられながら大半の下りはどうにか乗れた

当然メリットばかりかというわけでもなく、急登にローギアでクルクル回したい時には幅が広すぎて腕から胸周りあたりが強張ってシンドいし、ダンシングもイマイチやり難い。
長過ぎるケーブルルーティング
そして一番の欠点は、山サイで担いだときの横枝に弱すぎること。
ここは特に酷かったけど、実際の長さ以上に前にうにょーんと飛び出したケーブルルーティングが凄まじい包容力を発揮しやがる。
バックスイープによってレバーの角度がつくため、自然な角度にルーティングするとブレーキホースやアウターケーブルが触覚のように大きく前に飛び出してしまい、そいつが枝や幹に引っかかって煩わしいことこの上ない。

雪だるまと正面衝突した際も下顎だか生首だかをがっちりホールドしていて笑った。
外観
あとはやっぱ見た目の問題か。
いやこれでも十二分にかっこいいんだけど、どうしても曲がったハンドルやフロント周りで暴れるケーブルがごちゃごちゃしてしまう。

うん、やっぱこれよな。そこそこの長さのフラットバーでビシッと決めるのが一番しっくり来る。操舵性もグラベルを楽しむには全く問題ないし一番バランスがいい。

ついでにこれはシマノの
580mmのゼロライズにエンドバー。操舵性はピーキーの極みで、自分以外には誰も乗りこなせない、まさに男の浪漫だけを詰め込んだ仕様。これはこれでまたやりたいなあ。
あとがき
ということで、走行性能はぼちぼち良かったけど山サイ適正が低かったので、近々お役御免ってことになるかな。使い所さえ合うなら悪い選択じゃないと思うので、街乗り用の一風変わったハンドルがほしいなら検討の余地はあると思います。
おしまい
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