言わずとしれた銘品、オルトリーブのサドルバッグ L
長く使って感じるメリットを思いつくままに上げるなら
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- 必要十二分な公称以上の実質容量
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- ダンシングで揺れず、それでいて着脱が容易かつ調整幅も大きい優れたマウント
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- 名刺代わりの完全防水
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- ロングライド界隈で蓄積された改造or補修パーツ&ノウハウの豊富さ
などなど…
このあたりはもう散々語り尽くされている部分なので割愛しますが、全てにおいてバランスのとれた総合力では文句なしでNo.1のサドルバッグだと思います。
ロングライドや通勤で4年間使い倒し寿命を迎えこの度HV(ハイヴィジビリティ)モデルに買い替えたので、いろいろと気づいたことをまとめてみます。
内容ざっくり
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- 死因は溶着部の剥離
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- 後継モデルは融通が利かない
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- HV(ハイヴィジビリティ)モデルは生地が別物
ほないきます
寿命
ロングライドから毎日の通勤まで、手持ちのバイクバッグの中ではダントツの稼働率で4年間働いてくれましたが、相応のダメージが蓄積されて来ました。 ロールアップで最も負荷がかかるあたりに裂傷。これだけならまだ全然使うんだけど… 問題はこっち。サドル側の溶着された生地が剥離してしまい、自慢の防水性が形無しに。
溶着なので適当なゴム材を半田ごてで溶かしてやればすぐ治りそうな気もするけど、両サイドとも剥離が日に日に広がって来たので潔く買い直すことに。
「おりこうさん」になりすぎた後継モデル
数年前からこのシリーズは後継の「サドルバッグ2」にモデルチェンジされました。
詳しくはりくらいまーさんのブログに詳細なレビューがあるのでそちらで。
…が、この後継モデル、個人的にはかなり残念な方向へ進化してしまいました。
上の画像でもわかるけど、一番の変更点がバックルの固定方法。
旧版では開口部の付いたバックル同士を一箇所で留める形だったけど、「2」では開口部のバックルをそれぞれ前方から伸びるベルト付きのバックルで左右2箇所留める必要があります。
ベルトを締め付け全体をギュッと圧縮して余計な隙間を無くすと重心が安定するので、走行面でのメリットは確かにあると思う。
…んだけど、実はこのバックル、開口部を最低3回ロールアップしないと装着できないという大きな落とし穴があって、これがめちゃくちゃ困る。
たとえば上の図は小豆島を走った際の装備。
サドルバッグを見てもらうと最初から入っていた雨具や着替えに加えて、フェリーに乗る前に買い込んだ食料を詰め込んだことでパンパンになっています。
ちなみにこのときのロールアップ回数は1回だけ。当然こんなことしたら防水性は落ちるし、荷重バランスも崩れる。だけど、いっぱい入る。
その点完璧な防水性と安定した固定力をユーザーに強制できる後継モデルの方が、実質容量が多少落ちても製品の完成度としては高いんだろうけど、それはあくまでメーカー側の理屈なんですよね。
何が起こるかわからないロングライドや自転車旅ではあらゆる場面に応じて雑に使える冗長性ってとても大事だと思うので、つまらないことするなぁ…というのが正直なところ。
ということで、新型ではなく旧版を中古で探すことに。
たまたま状態の良さそうな反射モデルがあったのでゲットしてみました。
追記 : サドルバッグ2 のベルト延長改造
「2」でもバックルを後ろで止める(=ロール回数を減らす)ための改造用パーツがあるそうです。
新型サドルバッグの容量拡張用に、こんな製品もありますよ。
R250 サドルバッグエクステンション +65mm オルトリーブ サドルバッグ2/4.1L用https://t.co/dK5iXUCCBa
— Honya (@sato_honya) January 24, 2022
オルトリーブ サドルバッグ L HV (ハイビジビリティ) モデル
ということで届いた旧版のHV(High Visibility)モデル。
ちなみに後継の「2」のHV版は生地の色が蛍光色になっていますが、後述する素材などは同じものを使用しているので適宜読み替えてください。
スペック
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- 素材:PS50CX(※)
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- 重量:330 g (実測 : 318g バッグのみ)
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- 容量:2.7 L (実際は5L以上)
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- サイズ:10 × 23 × 9-16cm (H x W x D)
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- カラー:Black Reflex
基本的な構造は全く同じなので特筆すべきこともないかなーと手に持ってみたら、なんか分厚い。そして重い。
重量
ひとまず重さを測ってみると…
左) 通常版(低頭ネジ改造済) : 266g 右)HV版(初期状態) : 318g
お決まりの低頭ネジ改造でいくらか通常版が軽量化されてるかもしれないけど、生地の厚みが明らかに違うので確実にHV版の方が重い。
自分は大して気にならないけど、グラム単位での軽量化を狙う人は要注意です。
生地の違い
メーカーのHPで確認すると、確かに使用している素材が異なるようで、ノーマル版のPS21に対してHV版はPS50CXという表記になっていました。
見た目はこんな感じ↓
HV版の白い粒が反射素材。
ちょっとわかりにくいけど、しっかり反射してくれます。
手薄になりがちな横方向へのアピール力が上がるのが大きなメリットかな。
内側からみたらわかりやすいけど、ノーマル版は中央とサイドで生地が違うのに対して、HV版は全面同じ素材。このあたりも重量がかさむ要因のひとつ。
あとHV版の方が全体的に厚く編み込まれた構造なので、ひっかきや摩耗への耐性はかなり高そう。
自分は大半が通勤での使用なので、多少の重量増があっても耐久性が上がるほうがありがたい。
防水性
水ぶっかけてみたけど浸水は無し。このあたりは流石。
ただ気になる点もあって、生地に細かい凹凸があるため表面積が大きく、長時間雨に打たれると表面がしっとり保水したような状態になっています。
浸水することは無いけど、雨に濡れたときの重量増は通常版より大きそう。
あとがき
ふと思い出したんだけど、大学時代愛用していた同じくオルトリーブのパニアバッグ『バックローラー』、あれも実はずっと(メーカー的には)間違った使い方をしていて、ちょっとわかりにくいけど本来なら
↑みたいに、上部をロールした後に付属の肩紐をバックルにつないで、正面の留め具に引っ掛けて固定するのが正しいやり方なんですよね。
そんなお行儀良いことしてるやつ、一人も見たこと無いけどな
おしまい
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