最近ホットな製品を連発して界隈を賑わせているフカヤ産業のオリジナルブランド DAVOS

年末にリリースされた "D-309” というカーボンフレームセットが話題です。


カーボンフレーム&フォークにステムとシートポストまでついて18万は安すぎる。

 

そんな折

「これってグラベルバイクとしてはどないやねん?」

という質問念波を受信したので興味本位で調べてみると、いろいろと発見が多かったのでまとめておきます。

※なので、この記事はメーカーが想定する「ネオスポルティーフ」ではなく、「キャンプツーリングを想定したグラベルバイク」としての用途に足るか?という観点で書いていきます。

 

先に結論からまとめて言うと、

・数値上は(ほぼ)重めのJARIカーボン

・グラベルも普通に行けるだろうけど、フロント積載のツーリングとなるとフォークの剛性がちょい不安。

・フレーム剛性は高めで、直進安定性は僅かに高い(であろう)ことから、『ネオスポルティーフ』としては至極まっとうな設計でとても良いバイク(な気がする)。

 

です。

<追記>こんな記事書いてたら株式会社フカヤさんから実物が送られて来ました。何を言ってるか(略 


 

ほな行きます。


D-309 スペック

イメージ画像 2 修正

メーカーの能書きとしては『ランドナーより速さを求めた快速ツーリングバイク』という位置づけ。

先のバイクラの記事でも

フカヤの牧さんは「ネオ・スポルティーフのコンセプト通り軽快な走りを活かしたいので、タイヤは最大でも40Cくらいが丁度よいところだと思います」と言う。

https://funq.jp/bicycle-club/article/754799/

とある通り、メーカー側もあえてグラベルロードとして強く押しているわけではなさそう。

 

ジオメトリ

DAVOS D 309 ネオスポルティーフ 株式会社フカヤ

ほぼ結論なんですが、ジオメトリーの表を見たときにまず感じたことが

これ、JARIに似てない??  でした。

IMG 0995

わたしが所有しているFUJIのグラベルロード JARI 1.3

FUJIでは”アドベンチャーロード”という名称を用いていますが、他のグラベルロードよりも比較的オンロード寄りのジオメトリーで、それがそのまま購入動機となりました。


 

2年近く乗った感想としても、購入前のイメージ通りオンロードがそこそこ走れてグラベルもキレ良く下れるいいバイク。

 

で、本題のD-309。

おなじみgeometrygeeks.comにD-309を登録して同サイズで比較してみると以下の通り

Compare DAVOS D 309 2021 L 54 VS Fuji Jari 1 3 2019 54cm VS


リーチ、BB下がり、ヘッド角、ヘッド長と、乗り味に関係してきそうなあたりが共通しています。

 

 

JARIと比べて差があるのは

  • スタック…4mm低い
  • ホイールベース長…5mm長い
  • フォークオフセット量…2mm多い

といったところ(履かせるタイヤで変わるスタンドオーバーハイトは無視)

D 309 6

スタックは、4mmの差そのものよりも専用の内装カーボンステム&スペーサーという要素のほうが大きいか。

フレーム➆切抜き 1000×1000 修正

チェーンステイ長とBB下がりの値が同じなので後ろ三角はほぼ共通と思って間違いないはず。

そこで表に記載のないJARIのフロントセンター長を手持ちの実車で図ってみたら巻き尺読みで590~1mm程度(D-309は595mm)でした。

あともう一つ、メーカーの表にはありませんがD-309(Lサイズ)のトレイル量を計算したところ68mmで、JARIより1mm多い値。

ということで、実質JARIとD-309のジオメトリー上の違いは

・D-309の方がフロントセンターが5mm長い

・D-309の方がトレイル量が1mm多い

ということになります。

数値だけで判断するならば、「D-309の方が僅かに直進安定性が高い」と言えるでしょうか。実感できるかどうかはわかりませんが。

 

重量・剛性

D-309 重量

フレーム重量:約1117g(塗装済・Sサイズ実測)
フォーク重量:約460g(塗装済・コラムカット実測)

おそらく実測値であろうフレーム重量まで公式に発表があるのがとてもいい。
カーボンフレームですが、当然ロードレーサーではないのでそこそこの重量があります。

 

比較対象として、自分のアルミJARIの実測値は以下の通り

JARI(アルミ) 重量

フレーム重量:約1550g(D-309のLサイズに相当)
フォーク重量:482g

IMG 7412

IMG 7414

それぞれ細かく見ていきましょう。

フレーム

換算LサイズのJARI(アルミ)とSサイズのD-309(カーボン)でフレーム重量差が約430g。

2サイズの差があってこれなので、同サイズで比較すると実際の差は200gくらいかな?

 

フレーム重量に関してもう一つ参考になるのがJARIのカーボンモデル。

こちらはフレーム重量が1000g以下とアナウンスされています。


 

JARIカーボンと比較するとD-309は特にチェーンステーなどの後ろ三角がかなりマッシブに見えます.

DSC 0006 1000×1000

伝え聞くところによるとJARIカーボンはアルミモデルにも増して快適性の高い乗り味らしいので、本来の「ネオスポルティーフ 」というコンセプトと合わせて考えるとD-309のほうがよりロードライクでオンロード指向な剛性感なのではと思います。

 

フォーク

フォークはJARIのFC440より20g以上軽い460g。

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実はJARIのカーボンフォークですらそこまで剛性は高く無いと感じています。
普通に走る分には良いんだけどフォーク積載で急坂下ったりすると僅かにヨレる感じがあって、それよりもさらに軽いとなるとちょっと不安が

…と思っていたら、シクロワイアードの記事の中にこんな記述を発見。

また、フロントフォークもD-309に適したものがアセンブルされている。D-604の場合は剛性が高くブレードが太いモデルだが、D-309はロングライドで走る時に必要な硬すぎず、柔らかすぎないフォークを採用。フェンダーマウントは備えられているが、キャリア用アイレットは備えられていないことからも、荷物を多く積むというよりは、走りを重視していることがうかがえる。

https://www.cyclowired.jp/news/node/356363

 

こういう場合の「硬すぎず、柔らかすぎない」というのは、つまり「柔い」ってことでしょう。インプレ構文検定3級レベルの問題。

DSC 0022 1000×1000

ダボが3つあるのでフォーク積載まではメーカーも想定しているはず。

フォークの設計も違うし杞憂であれば良いのですが、「JARIのフォークよりクリアランスが広くオフセット量も多いのに20g以上軽い」というのは懸念材料のひとつです。

 

グラベルバイクとしての走行感(想像) 

乗り慣れたJARIとほぼ共通のジオメトリから想像するエアインプレ的なものですが、そんなに的はずれなことにはならない気がする。

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一般的な未舗装路を普通に楽しむための自転車としては全く問題ないと思います。

最近の標準的なグラベルバイクに比べればBBが高めでヘッド角も立ち気味だから安定感という意味では一歩劣るかもしれないけど、個人的にはこれくらいのほうが爽快感があって断然好み。

タイヤクリアランスもあるので、未舗装率が高いなら太めのタイヤを履かせれば大体の道は問題ないはず。

 

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上でフォーク剛性が不安と書いたけど、それもJARIで10Lのドライバッグ×2とオルトリーブのフロントバッグつけて25km1000m↓のグラベルをノンストップでぶっ飛ばすっていうアホな乗り方をした場合の話であって、一般的な楽しみ方をする分には仮にフォークの剛性がいくらか低かったとしても大丈夫だとは思います。


 

まとめ

最初にも書きましたが、まとめると

・数値上は(ほぼ)重めのJARIカーボン

・グラベルも普通に行けるだろうけど、フロント積載のツーリングとなるとフォークの剛性がちょい不安。

・フレーム剛性は高めで、直進安定性は僅かに高い(であろう)ことから、『ネオスポルティーフ』としては至極まっとうな設計でとても良いバイク(な気がする)。

自分が買うかと聞かれると「JARIあるからええかなぁ…」ってのが正直なところだけど、初めてのグラベルロードとしてオンロード重視のバイクを探しているならめちゃくちゃオススメできる一台だと思います。

 

おしまい