今回はロードバイク Advent Calendar 18日目の担当記事となります。
皆さんそれぞれとても有意義で建設的な記事を書かれているので、いっそ逆張りの「破壊」をテーマに、過去のさまざまなライドからオムニバス形式でメカトラ(メカニカル・トラブル)事例とその対策をまとめました。

グラベル第三帝国の悪友を中心に海千山千のフォロワーさん達のツイートも拝借しながらお送りしますので、なにか失礼があった場合は後でしっかり怒られます()


パンク

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まずは一番オーソドックスなやつ。パンク。
自転車に乗る以上は避けては通れないもの。オンロードであれば「○千kmノーパンク!!」などという猛者もたまにいますが、未舗装路になるとそうは行かない。確実なパンク修理はグラベルグラインダーの必須スキルです。


とはいえ単純なピンホールからチューブドであればリム打ちによるスネークバイト重症化率の高いサイドカットなど、一口にパンクといってもタイプは様々。原因特定から対処までにはかなりの経験と洞察力が必要となるので、甘く見てはいけません。

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穴が見つかりにくい場合は沢に下りて気泡探し。
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ちなみに私は脚を滑らせて川に落ち、おまけにホイールが流されました。笑えよ。

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チューブレスでの運用を継続する場合は専用のパンク修理キットが必須となります。

 そしてライド中のパンクで一番厄介なのがその「同時多発性」。

これは過去の経験からいってほぼ間違いないと思うんだけど、パーティ内の誰か一人がパンクしたら、残りのメンバーのパンク率も格段に跳ね上がるという乱数のバグのような法則が存在します。

当然同じ道を走っているからそれだけパンクリスクの高い路面であると考えるのが合理的だけど、そうではなくてなんというかもっと大いなる力によってパーティ全体がデバフを掛けられたような。

アイツの修理が終わって走り出そうとしたらオレのタイヤがパンクしてた、のを見て笑ってたのが今必死でポンピングしてるコイツってワケʅ(´◔౪◔)ʃ
みたいなこと、みなさんも一度は経験あるんじゃないでしょうか。

人を呪わば穴二つ」(パンクだけに)的なことなのかもしれないけど、だれかちゃんとデータ取って研究してほしい。

特殊例:破裂

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パンク関係の特殊例として自分が遭遇したのがこれ。チューブレスタイヤが突然爆音上げてハジケ飛んでホイールから外れるという恐怖体験。

タイヤとホイールの相性問題(?)が原因っぽいですが、フォロワーさんでも似た事例が多くてビビった。

 

リム破損

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上述のパンクと同時に発生することが多いけど、被害規模はその比じゃない。物理的にも精神的にも金銭的にも甚大なダメージをもたらす災厄。

 にも関わらず発生頻度はすこぶる高くて、

 

所謂「メーカーが想定するグラベル」を大人しく走るだけならいざ知らず、実際の日本の、特に私がよく走る京都の林道っていうのがそれはもう最高に凶悪で。

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もちろん空気圧調整や抜重やライン取りなどなど、気をつけて走ってはいるけれど、このレベルになると無事に走り抜けれるかどうかなんてぶっちゃけほとんど運任せです。
練習やトレーニングでテクニック磨くより日頃の行いを正して祈祷力を上げることで回避を狙いましょう。

とかいってたらつい先日、やらかしました 

 

対処法としては、よっぽどの曲げ方じゃない限りチューブを入れればなんとか乗れるようにはなります。が、リムと同時にスポークにもかなりの力が加わっているため振れが出ることもあるので要注意。気づかず舗装路の下りでスピード出すと狙ったラインを走れずコーナーで飛びます

曲がったリムの矯正は…できるのか…?

 

摩耗からの破断

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これはもう何年も前、まだ26インチのMTBに乗っていた頃のこと。泥砂利をリムに押し当てながら走るVブレーキで長年酷使したホイールが、ツーリングの最中に寿命を迎えて端から剥がれた図。めくれたリムがそのままタイヤにぶっ刺さる大惨事でした。

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舗装をガリガリ言わせながら最寄り(くっそ遠い)の駅まで押し歩いたものの終電に間に合わず、寒い待合室で一夜を明かしたのも今となってはいい思い出…

 

ディレイラー(ハンガー)破損

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これも山を走る人なら想定しておくべき、そこそこ頻発の事象。

これはやりすぎ 


最近でこそシャドーデザインの採用で張り出しが少なくはなってきているけど、異物の巻き込みや転倒による外圧などさまざまな要因でディレイラーが吹っ飛びます。

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ギリギリで破断を回避した例。異変を感じたら即脚を止めるのが大事。 

 

異物巻き込みの他にも、ローギアで内に寄ったプーリーをスポークが巻き込んでねじりとってしまうパターンもあります。

この動画ではディレイラーそのものが割れて飛び散ってますが、フレームとディレイラーをつなぐエンド金具が曲がったりモゲたりということも多いです。

対策としてはエンド金具のスペアを持ち歩いておくのが一番だけど、それが無いor変速機が壊れた場合は一度チェーンを切って縮めてシングルスピード化するのが定石。

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チェーンカッターが無いとどうにもならない(クイックリンクだけでは対応不可)ので、アンプルピンと合わせてツールケースに常備しておきましょう。

 

STI破損

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ブラインドカーブの先のアイスバーントラップにかかり叩き折られたSTI
ブレーキとシフトのワイヤーが辛うじてつなぎとめているけど、ブラケットは見事に両断されています。

どう見たって致命傷。でも、諦めなければ試合は続く。

大きめのタイラップ、「インシュロック」を用いての緊急外科手術が始まります。

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変速機能こそ使えないもののブレーキは復活。当然、ライドは続行です。その後は大雪でほとんど押し歩きだったけどな。

 


さすがにSTI折れはそうそうあることじゃないだろう、と思っていたら先日…

電動油圧レバーの場合はワイヤーもないので完全に分離してしまうみたい。

それでもなんとかなるってのがすごい

 

チェーンリング変形

  チェーンリングが高トルクに負けてねじ曲がるケース。
今は亡き(甦れ&チャリ返せ)NASUBiさんの単独復活劇。

チェーンリングのボルトなんて普通チェックしないもんなぁ…
完成車付属の廉価パーツなんかは特に気をつけたほうがいいかも。

傍から見たら完全な不審者()

 

あとがき

メカトラ、大好きです。

予定調和の順調なライドが唐突な異音とともに終わりを告げて、山奥深くにただ独り背筋に冷たい風の音 。錆びて曲がったガードレールに立て掛けられた壊れた愛車。手持ちの工具を地べたに広げて解決策を探せども、にっちもさっちもいかなくなって途方に暮れるあの瞬間。
ゾクゾクしますよね。最高じゃないですか。

 

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それはグループライドでも同じ。

ひねった頭を突き合わせ、あーでもないこーでもないと文殊の知恵を絞り出す。そんな時間を共有してこそ、その先に辿り着く峠がより一層思い出深い場所になる。サイクリングの醍醐味です。


当然、事前の入念な準備は必須。知識も装備も持てるだけのものを持ちましょう。

そんな自分の想定を遥かに越えるトラブルを、さらに上から乗り越えたとき、最高の旅になるんです。


皆様の行く道に良きメカトラのあらんことを


おしまい