夏の夜、いつものようにあてもなくツーリングマップルをめくっていると、何やら良さげな林道が目に飛び込んできたので、まずは一人で偵察に行ってきました
氷ノ山界隈、1000m級の峠を二つ越えながら約50kmを未舗装率80%前後で縦走できる間違いなく関西最高レベルのグラベル。
適度な斜度の登り下りがガッツリあって景観◎。さらにガレ場・深JARI・砂・土・バラスと路面のバリエーションもめちゃ豊富。ホンマもんのパラダイスでした。
絶対また行くぞ🙌 pic.twitter.com/Nm5EHRyEqV— やくも (@wartori621)
宣言通りに1ヶ月後、悪友NASUBiさんとともに1泊2日の遠征へ繰り出した時の記録です。関西屈指の極上林道が目白押しなこの界隈、期待値高めでどうぞ。
そもそも氷ノ山ってどこにある?
お隣の兵庫県とはいえアクセスがめちゃくちゃ悪く、大阪/京都から輪行するなら最寄りの駅まで3時間前後、そこからさらに山越え40km走ってやっとこさ入り口というまじでドのつく僻地。一方車で高速飛ばせば2時間ちょっとなので、ここは迷わず車載でGO!
出発は朝4時
自分のマディフォックス、NASUBiさんのTOPSTONE、テント・食材・自炊道具・工具・着替え・その他諸々突っ込んで出発!!
朝焼けの高速を西へ
一日目となるこの日は小代区の谷川を挟む2つの稜線を巡るコース設定。早々に自転車を組み立て侵攻開始!!
野間峠方面へ向けて舗装路で急登。見てこの青い空、目が潰れそう
スタート地点からわずか5kmで早速未舗装路に。
空気圧を下げて、いざグラベりゃあ!!!
断続的に現れる短い舗装部を挟みながら順調に谷沿いから高度をあげます。
ぐるっと巻き込んで尾根筋へ登ると突如広がる青空。これはもしや…
はい、優勝。
澄んだ青空から吹く爽やかな朝の風が登りで火照った身体を涼めてくれる、まさにこの上ない至高の滑り出し。走り出してまだ1時間、序の口もいいとこでこの満足度はやばい。
野間峠へ向けて引き続き尾根筋へ。
瀞川氷ノ山林道との合流地点。手前がハチ公高原。奥の瀞川山方面へ行きます。
このあたりはバイクツーリングで有名な林道ということもあって路面はよく踏み固められたJARI。グラベル第三帝国基準ではむしろ舗装路といって差し支えない程度
野間峠から標高900〜1000m付近を軽快に飛ばしていくとついに…
お待ちかねのメインディッシュ、瀞川氷ノ山林道名物のグラベル一直線!!
木々に囲まれた山の中に唐突に現れる下りのストレート。鋭く差し込む木漏れ日がゼブラ状に並び遠い果てまで続いてる、ある意味異様な光景。
「横道や遮るものがなにもない未舗装の下り坂」なんて、少なくとも関西ではここくらいのもんじゃないだろうか。
ということで位置について…GO!!!
HOODOOO!!!!
YAAHHOOOO!!
あー楽し。
さらに少し下った先に攻めたら面白そうなU字カーブがあるのでNASUBiさんと二人で撮り合いっこしたり。
カスみたいなコーナリング決めるわし
いい感じの見晴台があったので小休止。めちゃくちゃ堪能してるけど実はまだ15kmくらいしか進んでない。
適当な補給食をつまんでまた下り始める。
相変わらず硬い砂利。どんちゃんやモリビトさんならアウタートップで飛んで逝くんやろなぁ…などと話しながらのんびり下る第三帝国の雑兵二人。
ここで一旦麓の集落におりて水分補給をすることに。
こんびにゑんすすとあだ
腹ごしらえもそこそこに二本目の山へ。
残酷マラソンとは…
舗装路でゲレンデの上まで。多くの人が板で雪の上を滑るよくわからない遊びに興じる場所ですが、運動神経皆無なわたしには縁遠いものでよくわかりません。
そしてまた未舗装路へ
いや違うな、舗装はある。「終わってる舗装路」だ。スキー場が繁盛していた頃は立派な道だったのかもしれない。
人の往来が途絶え、再び勢力図が塗り替えられていく様はことさらにエモい。
信じられるか、舗装路なんだぜこれで。
明らかについさっきまで誰か寝ていた跡。起こしてしまい申し訳ない。怒られる前に逃げます。
出てきたところに道標。林道稲荷尾線。
処理済みのあかんやつ。
休むまもなく次なる林道へ。
このあたりは本当に未舗装林道が豊富で少しの舗装路を挟んですぐに次のグラベルへ移行できるのが嬉しすぎる。
少し暗めの砂利道をのんびり登り始めた直後、カーブの向こうに突然「ソレ」は現れました
なんだこれは… なんだこれは!???
落石、というにはあまりにデカすぎる巨岩。しかもただデカイだけじゃない。
何かが明らかにおかしい。違和感の正体は近づいてみればわかりました。
NASUBi「この面だけ湿ってる…」
そう、まさについさっきまでそこが土に面していたような湿り具合。冷や汗を流しながら恐る恐る斜面に目をやると…ああ…これ、落ちたのついさっきだわ(戦慄)
仮に誰かが下敷きになってたとしても何もわからない。どっかから足出てないか。
斯様に山は常に死と隣り合わせなのである。南無。
1枚目がグラベルでよく見る落石
2枚目以降が落ちたてホヤホヤクソメテオ pic.twitter.com/QuNFIFQHQJ— NASUBi (@NASUBIao)
「落ちたてホヤホヤクソメテオ」の語感の良さよ。
その後は二人共とも心なしか斜面から距離を取りながらダブルトラックの林道を出発地近くの集落へと下ります。
林道の出口には滾々と湧き出る水場が。これがまた美味い。頭からかぶってがぶ飲みして火照った体を内から外からチルアウト。まさに天然のエイドポイント。
あとから車で戻ってきてこの日の炊事や明日の飲水用ににありったけ確保。この水沸かした湯で飲むコーヒーがまずくなるわけがない。
美しい谷あいの集落を下ってスタートの駐車場へゴール。
これだけ林道を堪能しても、時間はなんとまだ15時過ぎ。近くの温泉まで車を走らせひとっ風呂浴びたあと、これは詳細を省きますがNASUBiさんの類稀なる営業スキルを発揮した紆余曲折を経て野宿場所を確保!
手際よく調理道具を展開するNASUBi氏
月明かりの下、火起こしに悪戦苦闘するわたく氏
火を眺める時間も無いのに文明人名乗ってんじゃねえよ
二人で寝るには広すぎる9テンで悠々と横になってからはあっという間に眠りに落ちた気がする。よく覚えていない。
つづく
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