以前の記事で紹介したとおり、注文住宅で趣味のロードバイクやMTBを乗り入れられる土間付きの書斎を造りました。
動線を分けろ!ロードバイクの室内保管場所について
最初に結論から言えば、玄関に自転車を置くことによる日常生活上のデメリットを解消するため、なんだけどこれを説明するためにはまず我が家の家族構成とパワーバランスの説明が不可避なので、書く。やくも家の事情
さあこのメンツが快適に過ごせる新居を建てるぞ、となったとき、全体の設計を担った妻が真っ先に考えたのは乱雑と混沌の化身たる夫(とそれに関わる自転車一式)をどうやって家族の居住空間から排除・隔絶するか、であった。妻が出してきた最初の間取り案にはどこを探してもおれの居室はなく、庭にチャラ書きされた四角い枠に[物置(やくも)]と書かれていた。この状況下では決して玄関に自転車を置くなどという選択肢は生まれ得ない。ライドから帰るたびに砂利まみれの自転車を軒先に放置し、ウェアやカメラやボトルをリビングに散乱させながら満足げに歩き回る半裸の猿人を収容する檻の建造が最優先事項とされた。
(※訂正 : ウォークインクローゼットと脱衣所は引き戸で通り抜け可です)
我が家の大まかな間取りを見てほしい。左下の玄関から最も遠く、LDKの先にある風呂場と並列したウォークインクローゼット…を抜けた先、家の最果て、そこがおれの書斎だ。
新居ではサイクリングから帰ったおれは正面玄関の通行を許されていない。勝手口から直接自室に入り全ての荷物を片付け、脱衣所の洗濯機に脱いだ服を放り込んでシャワーを浴びた後に初めてリビングへの扉が開く。この手順を誤ると
ちなみに書斎の上には2階すら乗っていない、居住スペースからは完全に隔離された空間。昼夜を問わず鼻歌と口笛がノンストップで漏れ出る特異体質のため、ウォークインクローゼットに吊られた服は防音壁の役目も担っている。
そう、この理想的な趣味の部屋は決してサイクリストとして自己中心的な希望を押し通したわけではなく、清潔な生活空間を荒らす害獣を一部屋に押し止めるために実現された、妻にとっても悲願の間取りだったのである…!
ということでまとめます。
生活機能面でのデメリットの解消
趣味面でのメリットはまた別記事に譲るとして、まず根本的なところで非サイクリストの一般人にとって「『家の中に自転車を置く』というのは精神的にも家の機能面でも明らかに異常かつ非効率的な愚行である」という事実を再確認する必要がある。毎日頻繁に出入りする玄関の壁一面を週に何度かしか乗らない趣味の自転車で覆うのは実生活面で相当な不便を強いる。そもそも靴箱や傘立て、庭の手入れ道具や子供がいれば外遊びの道具など、玄関収納のスペースは多いに越したことはなく、それを潰してまで自転車を置くメリットが家族にとってほとんど無い。
また、玄関を開けていかつい自転車が2台というのは来客にも無駄に威圧感を与えてしまうし、人目につく&すぐ横を人(とくに子供)が通る以上泥&油だらけで放置するわけにも行かず結局こまめな掃除を求められ、そうなると土間に乗り入れるメリットも薄れる。
さらに、これは趣味面でのメリットと被るところではあるが、サイクリングに必要な装備一式(ウェア・バッグ・ガジェット)等を、ただでさえ収納を圧迫している玄関で保管することは難しく、となると自室など離れた保管場所から持って来る必要があり、ともすれば家族の共有空間に自転車道具が散乱…は普通はしないのか、ごめん、忘れて。
いずれにしても家の顔たる玄関付近を夫一人の趣味の道具で占領するという事自体が、その後の生活で家族からのヘイトを集める可能性がある。それを補って余りある魅力とスキルがあるなら問題ないのかもしれないが、健康で文化的な生活を送るための負担を妻に丸投げしている自分のような人間にそんな権利は無かった。
あとがき
日常生活の中で自転車の存在が家族に継続的なストレスを与え続けるのは既婚サイクリストとしての肩書のいずれかを失う可能性が高くあまりにもリスキー。そのリスクを可能な限り排除したのが土間付きの書斎という選択でした。実際問題としてそんなスペースを間取り激戦区たる一階に持ってこれるかどうか、土地の広さ・形状や予算面の制限もあるとは思うけれど、こういう手もあるよ、ということで、どなたかの役に立てば幸いです。
おしまい
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