【レビュー】TEAC AI-303 小型多機能な卓上プリメインアンプ

オーディオ

以前レビューしたJBLのスピーカーと同時に導入していたTEACのハーフサイズプリメインアンプ、AI-303。1年近く使ったけど、コンパクトで音も良く、デスクトップオーディオとしてほしい性能全部盛りって感じでかなり重宝してます。


A4サイズがデスクトップにちょうどいい

そもそもこのAI-303を選んだ一番の理由はデスクトップに無理なく導入できるサイズ感。
●外形寸法:215(W)×61(H)×257(D) mm
PCにMac miniを導入し、思い切って32インチのモニターを導入してみた。隔離された自室のポテンシャルを活かすべく、両サイドにJBL L52 classicを配置しこれで完璧!!といきたいところだけど、悩んだのがアンプ。

ボリューム操作等の利便性を考えるとなるべく手の届きやすい卓上に置きたいけれど、ちゃんとしたオーディオアンプは横幅が400mm以上あるため、どうしてもというならモニターの土台代わりに置くしかない。見た目もイマイチだし、アンプの他にMac mini本体などの場所も欲しいので、なるべくコンパクトなものから絞り込んでいって、たどり着いたのがこのAI-303だった。

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モニター左下が当アンプ。右のMac miniと対をなしていい塩梅に収まってくれた。


 豊富な入力系統

加えて重視したのが入力系統。

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●入力:USBオーディオ、HDMI、同軸デジタル、光デジタル 、ライン×2、 Bluetooth®

PCでのストリーミング再生がメインの用途となるので、USB-DACの機能は必須。USBはtypeCのケーブルでMac miniと直結している。


そしてもう一つ欲しかったのが光デジタル入力。アンプの購入と同時に、実は12年ぶりのテレビゲームとしてPS5を導入しようと企んでいたのだが、リビングのテレビは妻の目が気になるしできれば自室のモニターで没頭したい。ただ、PS5の音をHDMI以外の外部出力するってのがまたかなり大変で、結論から言えばUSBに専用の変換器をかまして音声データだけを光デジタルのオプティカルでぶっこ抜くという荒業で解決した。まあPS5は買って2か月で売ったんだけどな。

操作性

起動/スリープ解除時は手動でアンプの電源を入れる必要があるが、逆にオフ/スリープ時はしばらくすると勝手にアンプの電源も落ちる。ディスプレイとHDMI eArcで接続すれば電源オン時も連動してくれるはずだけど、無駄にバイパスを増やすのも面倒だし音質的にもメリットはないので多少の不便はやむなし。慣れれば大した手間じゃない。

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ソースの切り替えはボタン一つで次に送る形式なので、頻繁に変更する場合は少し手間がかかるかもしれない。リモコンであれば直選択可能だけど、自分のように卓上に本体があればわざわざリモコンを握りに行くより連打したほうが速い。

電源を入れてから音が出るまでは5秒ほどかかるが、動画と音声のズレもきちんと補正されるので問題なし。MacとのUSB接続はかなり安定しており、稀にアンプの電源を入れ忘れてMac mini本体から貧相な音が聞こえることがあるくらいでこれといった不満はない。

音質

スピーカー

比較対象は直前まで使用していたSONYのミニコンポ、CAS-1。アンプ部はAI-303と同じデジタルアンプで、付属の小型スピーカーをサイズのわりになかなかいい音で鳴らす逸品だった。


CAS-1のスピーカーはそのままにアンプだけAI-303に変えると、正直言っていまいち。CAS-1純正のほうが音の焦点がばっちり合う感じがあって気持ちよかった。小音量のニアフィールドリスニングに適したCAS-1の小型スピーカー専用にアンプ部でかなり尖ったチューニングをされているような気配がある。

上がCAS-1、下がAI-303



逆にCAS-1のアンプのままスピーカーをJBL L52 classicに変えると、これはもう明らかに力不足のカスカスな音でこらあかんわって感じ。そもそもアンプ部の出力がCAS-1が片側24W、AI-303が同50Wで倍以上の差があるのでこれはもう予想通り。

そこからAI-303に変えると、物理的な音圧が一気に上がって一気に耳ではなく身体で音楽を浴びている感覚を味わえる。いろいろなレビューを読み比べると、AI-303はかなりフラットな傾向なようで、おそらくL52のレビューでも書いたムードのある重めの音空間はスピーカーの方のキャラが強く出ているてことかな。

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あとはクロスフェードのダイヤルが正面についており、左右の音場を仮想的に中心へ向けることができるが、どうしても不自然さが出てしまうので自分は使っていない。映画視聴時人の声だけ集中して聞きたい場合には適しているかも。


ヘッドホンアンプとして

前面に端子があるので、卓上でヘッドホンアンプとしての使用もできる本機。

自分は別にFOSTEXのHP-A8をメインで使っているのであまり出番はないが、せっかくなので聴き比べてみたところ、感想としては「普通に良い」。比べればHP-A8のほうが音のメリハリが聴いていてより立体的に聴こえるが、じゃあ劇的な差があるかと言われれば、無い。しっかりボリュームとれるし、変な音のつぶれもないし、よっぽどのこだわりがなければAI-303でも満足いくと思う。まあおまえはそれがあるからこんなとこまで読んでるんだろうけどな。HP-A8ええぞ。もう売ってないけどな。…と思ったらAmazonに新品で売ってたわ。たまげた。ええぞ。


あとがき

値段はそこそこするけど、機能性とか考えたら選択肢としては全然あり。小さくて、高機能。最近はやりのBluetoothスピーカーでは手が回らない、優先特有の冗長性をフル活用したデスクトップオーディオの要となるいいアンプだと思います。



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