先日の矢田丘陵ライドの道中、ここのところかっくさんと会えば毎度決まって話題に上がる、とあるサイクリング計画の話になった。
それは関西有数の某山域を海から長い未舗装林道と半日はかかりそうなハードな担ぎで突破してみようというもの。
二人で一緒に計画したものではなく、それぞれが日頃地図を眺めるなかで別々に思いつき、いつかやってみたいなとこっそり夢想していたところ、たまたまTwitterでかっくさんが地名を伏せてそのルートに言及されていることに自分が気づいて意気投合したものだ。
あのときは本当に嬉しかった。まさか自分以外にこんなアホなルートを考える人間が身近にいるだなんて。
だけどそこで話は終わらない。
かっくさんとのやり取りで盛り上がっていたところ、なんとその2年も前に、1泊2日はかかると踏んだこのルートを1日で走破したという猛者が現れたのだ。
その猛者こそが今回の主役、ブログ「NRの忘備録」の主であり、紀伊半島や鈴鹿の山々を中心に山岳サイクリングを楽しまれている、筋金入りのつわものサイクリスト、NR@NRMeizin さんだ。
(や、ちょっとまった、サイクリストって言ったけど、それは切り取りすぎだな。もっとでっかく、「山の人」だ。自分がわかるのがサイクリングの世界だけだから、この記事ではとりあえずサイクリストの部分だけを紹介させてほしい。その部分だけでもまだデカすぎるんだけど。)
NRさんのサイクリングは格が違う。
例を挙げればキリがないが、今年の夏の台高山脈サイクリングの記録なんか最高だ。
絶景の写真に淡々と続く行動の記録。わかるやつにはわかる。強い、あまりにも強い。
山岳サイクリングだけではない。オンロードでもキャンプ装備で北海道や九州を一周されたり、ブログを漁っていると「日帰り(335km)」みたいな文字列が見えて、すげえロングライドもされるんだと思って記事をよく読むと、写ってる自転車がコレ↓で流石になにかのギャグかと思った。

https://nrkuro.com
この装備積んで雨の中単独で日帰り300km超…???
世の中にはまだまだ凄いサイクリストがいるもんだ…
…なんてことも話題に上げながら矢田丘陵ライドも終盤に差し掛かった時、それは起こった。
まさかもまさか。
会いに行って会うでもなく、お互いがそれぞれのサイクリング途中での遭遇。リスペクトするサイクリストとの出会い方としてこれ以上のものはない。これで喜ばなきゃ嘘だぜ。
TREK CHECKPOINT AL

さあいよいよここからはNRさんの相棒を見ていこう。
TREKのグラベルバイクは最近発表されて話題になったフルサスグラベルCHECKOUT など、 “CHECK-“を冠するのが特徴で、CHECKPOINTはその中でも最も王道の代表格。

ALの名の通りアルミフレーム。コンポーネントも購入時から特に変更されておらず9速のSORAがメイン。
フレームもコンポも、なんてことない一台のように見えるかもしれない。おまえの目が節穴ならな。
Combat Prooven
さっとフレームに目をやっただけでも、この自転車に蓄積された経験値がよくわかる。


フレーム各所のダボ穴周り。ここが傷だらけのやつだいたい友達。

上述の日帰りロングライドもそうだったように、フロント&リアラックにパニアバッグのフル積載ツーリングで酷使されたダボ穴はとうに限界を超え、一部はリタップやブラインドナットの打ち直しで補修されている。

少し写真がわかりにくいがダウンチューブには切ったロードタイヤが保護材代わりに無骨に巻き付けられ、

チェーンステイもチューブで養生。

紐式SORAのSTIはガリガリに削れ、

機械式のTEKTROが傷だらけのフォーク裏にくすんで居座り、

おそらく「鉄下駄」と呼んで差し支えないであろう純正ボントレガーのホイールに履かせたグラベルキングのロゴは剥げて消えかかっている。
どれもこれも、パーツのグレードとしてはエントリー向けの、至って標準的なもの。そこらの河川敷をちょっと走れば、これより高価でハイスペックなピカピカのグラベルバイクと山程すれ違う。
当のNRさんも「大した自転車じゃないので恥ずかしいです」などと謙遜されていたが、それこそとんでもない話だ。
よしわかった、もし仮に「機材による優劣」なんてものがサイクリングの世界に存在するとしても、そのままそっと焦点を乗り手に移すだけでそんなヒエラルキーはあっという間に反転し得るんだよ。
この自転車とNRさんを前にして、カーボンフレームとMAVICの良いホイール履かせた自転車で林道一本越えたくらいでギャーギャー騒いでるおれの立場にもなってみろ、どう考えても恥ずかしいのはこっちの方だろうが。
椎名林檎も言ってたろ、「価値は生命(いのち)に従って付いてる」。
およそ世にある上下優劣松竹梅は全て生命の強弱に依る、と読むならば中々シビアな話でもある。強くならなきゃなあ。

一方で、実は全くの素体というわけでもない。
数々の峠を越えるなかで、コンポやホイールを差し置いて導入されたパーツに宿る説得力もまた凄まじいものがある。
REDSHIFT ShockStop Suspension Stem

グラベルのみならずロングライド界隈でも愛用者の多い、内部に衝撃吸収用のエラストマーを仕込んだショックストップステム。
ご自身のブログでも詳細にレビューされているが、オフロード走行時の効果は抜群だそう。
あ、さっき言ってた『日帰り(335km)』って文字列もこの記事↑で見れるよ。今その下よく見たら『ロングライド(2,100km)』とか書いてあったよ。
Ridefarr エアログラベルハンドル

ハンドルバーもちょっと特殊だ。オーストラリアのメーカーRidefarrから発売されている、エアロバー一体型のフレアハンドル。
エアロ性能の向上の他に、ライドポジションの多様化で披露を軽減させる効果もあるらしい。
と、写真を取らせてもらいながらみんなで自転車を眺めていた時、かっくさんが気がついた。

右レバーがわりとガッツリ倒れていたのだけれど、気づかずしばらく乗られていたらしい。そんなおおらかさもNRさんの魅力の一つ。

あとこのペダル、詳細はわからないけどなんとなくいいオーラを感じたのでやたら写真取ってた。これ以外全部ぶれてた。
あとがき

この日ご一緒に行動されていたはこすけ@legrandbleu_dolさんも交えて、遭遇を喜びながらの砂利傍会議。
日暮れの迫る師走の林道ではとても時間は足りないが、それでもたくさんの楽しいお話ができた。でもやっぱりまだまだ足りない。
ぜひ次はサイクリングご一緒しましょう!と約束をして、また各々の道へと走り出した。

結局この日走った距離はせいぜい20kmほどだったが、仲間にも出会いにも恵まれた素晴らしいサイクリングになった。
自分の好きなことを通じてどんどん仲間が増えていく。ほんとにありがたいことだな。
みなさんありがとうございました!また行きましょう!
おしまい

























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