【長期レビュー】Sennheiser HD25を15年使った使用感や音質について

ヘッドホン

一昔前からゼンハイザーのド定番機であり、未だにオーディオマニアからの指示も熱いHD25。

HD650やハイエンドヘッドホンの古豪HD800といったオーディオリスニング向けのヘッドホンとは異なり、その出自はいわゆる「現場」向けのバリバリ業務用ヘッドホンだが、リスニング用途でも

いくつかの派生モデルがあり、かつては型番も似通っていたため判別がややこしかったが、多くの場合HD25といえば「HD25-1Ⅱ」を指し、自分が使ってきたのもこのモデル。他に廉価版のHD25 SPやハウジングの異なるAluminum などがあったが、現在はHD25(無印)、Light、Plusの三展開でLIGHTはコストを抑えたドライバー違いの簡易版、Plusは付属品を充実させた豪華版、といった位置付けらしい。

購入から15年以上、時に手荒に使ってきたが、未だにバリバリ現役の相棒なのでここらでレビューしておく。

スペック

項目 HD25-1 II スペック
型式 ダイナミック・密閉型 (オンイヤー)
周波数特性 16 Hz ~ 22,000 Hz
インピーダンス 70 Ω
感度 (SPL) 120 dB (1kHz, 1Vrms)
最大音圧レベル 200 mW
全高調波歪率 < 0.3 % (1 kHz, 100 dB)
ケーブル 片出し、着脱式、1.5 m ストレート
プラグ 3.5 mm ステレオミニ (ねじ込み式6.3 mm標準変換プラグ付属)
重量 (ケーブルなし) 約140 g
付属品 6.3mm変換プラグ

携帯端末でも鳴らしやすく、良くも悪くも再生環境の影響をあまり受けない印象。

構造的には軽量かつ堅牢。高級感は一切ないけど、とにかく壊れない。どれだけ雑に扱っても折れたり外れたり傷ついたりということがなく、旅行などで重宝する。

事実海外留学の際にも持参し、スーツケースやバッグの中でもみくちゃになりながらも一切問題なく稼働してくれていた。

ハウジングは小さく、耳を覆うのではなく上に乗せるような配置。側圧がかなり強いのが特徴で、苦手な人には辛いかも知れないがパッドも小さめなので慣れるとそれほど気にならない。

強い側圧と165gという軽さのおかげで激しく動いてもずれたりせずに装着感は良好。遮音性もそこそこあるので、ポータブルユースの有線ヘッドホンとして重宝した。最近こそワイヤレスヘッドホンに出番を喰われているが、もしDAPを持ち歩くようになれば運用面でも音質面でもMOMENTUM4よりHD25を選ぶ。

 音質

今でも「ロック向けヘッドホン」として真っ先に候補に挙げられるほど、音の押し出し方が明朗でハリがある。

立体感は希釈で音像はいたって平面的だが、メリハリがはっきりしていてとにかく元気。低音重視とよく言われるけど、最重低音はむしろほとんど目立たず、どちらかというと中低音をブーストしている感じ。それでいて制動も効いているので間延びせずアタック感を強く感じる。

傾向としてはかなりドライな音で生音空間系の曲との相性はイマイチだけど、でっかいアンプとスピーカーで前から鳴らす系の音楽は曲のテンポを問わず大体なんでも合う。

ボーカルも余韻や響きみたいな細かいことは無視して元気よく鳴るので自然と気分がアガる。側圧が強く走っても飛んでもズレない上に軽いのでランニングやワークアウト時のお供としても最高の一台。そういえばこいつを持って行ったイギリスでの留学中が、人生で唯一ランニングを日課にしていた時期だったな。

遮音性は別段よくもなく悪くもなく、といった感じだけど、音のメリハリが効いているおかげで実際の音量以上にメロディーが聞き取りやすい。その反動か、音漏れはそれなりにする。電車なら気にならないけど図書館で使うのは気が引ける。

 

同じSennheiserのMomentum 4と比較すると、最も違いが出るのはやはり低音の質。

Momentum4はワイヤレスヘッドホンとしては締まりの良い方ではあるけど、HD25のキレやスピード感にはまだ数段劣る。

また、装着感も、Momentumや他の多くのヘッドホンが耳全体を覆うのに比べてHD25は上から乗せるだけなので夏場でも蒸れが最低限で済むのが利点。有線の煩わしささえ許容できれば、軽くて頑丈なHD25の優位性はかなり高い。

 

パッド交換

ボロボロになりながらも愛用していたが、いよいよ限界を越えてきたのでイヤーパッドの交換を行った。

以前にも一度、少しぶ厚めのサードパーティ製のものと交換していたのだが、今回は純正の薄手のものを調達。

風化して膨張していることを差し引いても、かなりの違いだ。

パッドはハウジングに被せてあるだけの一般的なものなので一瞬で取れる。15年も使うと流石にドライバーが少々黄ばんでいるが、出音に関しては未だに全く不満はない。どこかで機会があれば新品と聴き比べてみたいな。

交換完了。装着のコツとしては、パッドの内側から指を突っ込んで縁をつまみ出すようにはめていくとスムーズに取り付けできる。

交換後はドライバーとの物理的な距離が近くなり、当然音のダイレクト感は増す。低音もより締まった感じになるが、交換前もそれほど悪くはなかったからこのあたりは好みの範疇かな。

総評

ポータブル使用の機会をワイヤレスホンに奪われているが、家での音楽鑑賞にはふとしたタイミングでこいつでなくっちゃ!と手に取ってしまう中毒性がある。キャラがちゃんと立ってて、頑丈で、コンバットプルーフも済んでるいぶし銀的ポジションで、壊れるまで使い続けるだろうし、壊れたらまた買う。

おしまい

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