以前記事にした通り、自宅のリビングでのオーディオ環境にはMarantzのプリメインアンプ NR1200を使用していた。
テレビとのHDMI接続が便利かと思って導入したのだが、接続時のタイムラグが遅かったり実際に使ってみるとテレビ番組の音声はむしろテレビそのものから聞くほうが聞き取りやすいということが判明したりであまり活躍する場面がなく、肝心の音楽鑑賞においても音質がそれほど良いと思えず満足していなかった。

そこで今回DENONのネットワーク再生対応プリメインアンプPMA-900HNEを導入したところかなり満足度が高かったので、NR1200との比較も交えながらレビューしていく。
購入動機
NR1200の記事で述べた通り、音楽再生時の音質の低さが現状一番の不満点。
大型トールボーイスピーカーのKEF R900に対してAVアンプ崩れのNR1200では荷が重かったのか全体的に音がもっさりしていて解像感が低く、特に低音量時の団子感が酷い。デスクトップ環境で聞くJBL L52 Classicのほうがかなりいい音で聞けるので、せっかくのリビング環境で聴く気が起きなかった。
そこでより音質の良いものをと思って色々探したのだが、機能面で外せなかったのがネットワーク再生機能。
自分は基本的に音楽再生はSpotify一択。数多ある音楽再生サービスの中でもインターフェイスやキュレーション力で図抜けており、最近ようやくロスレスにも対応して死角がなくなった。
リビングではスマホのSpotifyアプリからWiFiネットワークでプレイヤーを選択してすぐに聴き出せるという環境がほしい。音質的なことだけを考えればアンプとCDやネットワークプレイヤーを分けたほうが良いのだろうが、スマホからの操作のみで完結する環境の前には多少の音質劣化など気にしない。なにはともあれまずは聴いてからだ。

そこでSpotifyをネイティブ再生できるネットワークプレイヤー機能を搭載したプリメインアンプを探して白羽の矢が立ったのが、このPMA-900HNEだった。
製品概要

PMA-900HNEは、DENONのプリメインアンプシリーズにネットワーク再生機能を統合したモデルで、アナログ入力とデジタル入力の両方に対応している。ファイル再生のためのUSBポートはあるが、USB-DAC機能は搭載しておらず、PCをUSBで直接接続して再生することはできない。
ネットワーク機能としては有線LANおよび無線LANに対応し、HEOSプラットフォームを利用したネットワーク再生が可能。デスクサイドでのPC接続ではなく、リビングなどでこれ単体がオーディオ環境のハブとして機能するようなイメージ
肝心のSpotify Connectに対応していて、スマートフォンやタブレットからSpotifyアプリを操作して本体に直接ストリーミング再生できる。AirPlay 2にも対応しているため、iPhoneやMacからのロスレスワイヤレス再生が可能。こんだけあれば十分。
AVアンプを2chにしたNR1200とは違って、PMA-900HNEは2chプリメインアンプとしての基本機能に、ネットワーク再生と主要なデジタル入力を追加した構成であり、多チャンネル再生やUSB-DAC用途、PCオーディオ用途には対応していない。
入力について
基本的に音楽再生は全てSpotify経由で行うので、RCAケーブルによる接続はなし。
HDMI入力は無いが、光デジタル(Optical)でテレビとの接続は可能。ただしOpticalは音声データしかやり取りできずボリューム変更などテレビ側からの操作は受け付けられないので、ボリュームを変えたければTVリモコンに加えてPMA-900HNEのリモコンを操作する必要がある。テレビとの連携に限ればHDMIでのeARCを搭載したNR1200に軍配が上がる。

ただ、本体設定でテレビ起動時に自動的にoptical設定でスタンバイから起動するモードがあるので、テレビと同時に使う場合でもわざわざアンプの電源を別途入れる必要はない。
出力について
スピーカーへの出力はバイワイヤ接続に対応しており、自分もバイワイヤリング接続で使用している。サブウーファー用のプリアウトもあるが、トールボーイスピーカーなので低音は十分以上に出るため不要。

低音の制動が難しくて正直ブックシェルフ型でも良かった気はするけど、65インチテレビの両サイドにでっかく構えてバランスは取れている。
音質レビュー
使用環境
スピーカー: KEF R900 (トールボーイスピーカー)
音源: Spotify ロスレス
ジャンル: ロック・ポップス・フォーク・ジャズ
音質
ぱっと聴いただけでもNR1200とは全く出てくる音が違う。ちゃんとそれぞれの音が立ってる。
正直違いわからなかったら妻にどう言い訳しようかと思ったけど全くの杞憂。音質にあまり興味のない妻でも「おお、確かに全然ちゃうな」と認めるほどには音質が飛躍的に向上した。
妻や子どもの家事や遊びやどでかいエアコンなどのノイズまみれのリビングでは、これまでのNR1200だとなんとなく音が鳴っているけどとてもいいスピーカー使っているとは思えないほど雑音に埋もれてしまっていたが、900HNEでは絶対的な音量は同じくらいでもボーカルや楽器のそれぞれの音がちゃんと聴こえる。これが日常的な使用場面では一番うれしい変化だった。
一人のときにもう少しボリュームを上げて本気で音楽鑑賞してみたところ、全体的な量感だけでなく音像や定位感もかなり大きく向上していてめちゃくちゃノれる。板間ということもあってやはり低音は多少暴れ気味ではあるが、それでもNR1200よりは制動が効いているし、何より中域ボーカルの実体感や楽器のエッジの立ち方が耳に気持ちいい。
定位感だけならデスクトップオーディオで使用しているJBL L52 ClassicとTEAC AI-303のコンボに一歩譲る感はあるが、やはりトールボーイスピーカーと広いリビングの圧倒的な物量×空間体積の相乗効果で音楽体験としては圧倒的な差がある。気密性の高い家にしといてよかったぜ、心置きなくボリュームをあげられる。

そしてもう一つ驚いたのが、テレビ音声の聞き取りやすさ。NR1200ではアナウンスやボーカル、俳優の発声が背景の音に埋もれて聞き取れず、Braviaの内蔵スピーカーのほうが聞き取りやすいという欠点(というか欠陥)があったが、900HNEではバラエティ番組やナレーションまでちゃんと聞こえてくる。
ただし、上述した通りTVリモコンでの音量操作は受け付けないので、操作性は今ひとつ。普段のニュースやバラエティは内蔵スピーカーで聴いて、映画や音楽番組など、ここぞというときに手動でOptical1のテレビを選択してKEF R900を通すのが実際の使い方になってくると思う。
まとめ
ということで、音質に不満のあったNR1200から乗り換えたPMA-900HNEは期待通りのいい音を我が家の環境でも無らしてくれている。正直「音質」という面ではすべての面で比べ物にならないほど900HNEが勝っている。(…というかNR1200がかなり酷かったのかも)。
新築時に設置してから3年以上満足に鳴らせなかったトールボーイスピーカーKEF R900がようやく本領を発揮できそうで何よりだ。もっと早くに買い替えとけばよかったぜ。
おしまい













































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